アレキサンドライト

中世ヨーロッパの国、ピースではヨーロッパで行われている戦争に不利的状況のため、国民などからも徴兵して、数で、状況を覆そうとしていた。 ただ、大きなことを言えないだけで、国民達の不満は、日に日に増していっていた。 その国の中の１つ、小さな港町、ビレポートでも、とうとう明日に徴兵が開始されるところだった。 それが、知らせられると、15歳の少女、アレクサンドラは、急いで海辺の公園へ向かっていた。 そのアレクサンドラは、大層美人な少女で、アレキサンドライト色の目をしていた。赤や青の色をしていて、光の当たり方によって、色が変わるとても美しい目だ。 そんなアレクサンドラは、急いで、幼馴染で同い年の少年、アレクサンドルに会いに行こうとしていたのだ。 徴兵は、15歳からと決まったため、アレクサンドラは、2度と会えないかもしれないと思い、会いに行こうとしていた。 「はっはぁはぁ」 やっとついたいつもの海辺の公園にアレクサンドルは、いなかった。 「な、なんで…」 アレクサンドラは、ポロッポロッと大粒の涙を流した。 そうアレクサンドラが落ち込んでいた時、そっと肩にポンと温もりを感じた。 アレクサンドラが、顔を上げると、よく一緒に遊んでいた、アレクサンドルがいた。 「あ、アレクサンドル…！」 気づいたアレクサンドラは、びっくりした声を出した。 「アレクサンドラ、会いに来てくれたのか。ありがとう。でも、きっとこれが最後だから…」 そう、アレクサンドルは精一杯の声で言った。 「でも、でも、やだよぉぉ」 「しょうがないよ。アレクサンドラ」 「しょ、しょうがないって…ずるいよおぉ‼︎」 そうアレクサンドラは、泣き叫んだ。 でも、アレクサンドルは、名残惜しい顔から、いつもの顔に戻って言った。 「大丈夫。僕は、戻ってくるよ。アレキサンドライトを渡してあげる」 〜3年後〜 アレクサンドラが、成人した頃、ようやく戦争が終わった。そして、今日この日は、戦争に行った兵士達が帰ってくる日だ。 アレクサンドラは、アレクサンドルがきっと帰ってくる、そう信じて馬車が止まる場所で待っていた。 しばらくして、簡易的な馬車が止まり、たくさんの兵が降りてきた。 アレクサンドラは、人が多かったため、後ろに下がっていたので、誰がいるのかよくわからなかったので、ドキドキしていた。 「アレクサンドラ！」 そう懐かしいけれど、ちょっぴり大人びた声が聞こえた。 「あ！アレクサンドル！良かった…」 アレクサンドラすぅーっと、絹の糸のような涙を流して言った。 「何泣いてるんだ、アレクサンドラ」 「だって、だって」 そして、ニコニコしてアレクサンドルは言った。 「これ、アレキサンドライトの指輪。貰ってくれない…？」 「もちろん！」 2人は末長く幸せに暮らしましたとさ。 ちなみに、アレキサンドライトの石言葉の代表的な言葉は、秘めた想い。アレクサンドルは、ずっと心の中に、アレクサンドラを想う気持ちを秘めていたのですね。