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久しぶりに会った初恋のクズ
ジャンル:恋愛
ずいぶん前に出会った、初恋の人が女の人に平手打ちされていた。
「最っっ低」
バチン、と良い音が鳴っていた。
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私が、中学生の時。
同じクラスになって一目惚れした。
クラスでも、学年でも、後輩にも人気者。
優しくて、気遣いができて、紳士で。
あだ名が、「王子」だった。
そんな彼に初恋をした。
告白して、振られたけど。
「あー、ごめん。俺、面食いだから」
最後、ちょっと「面食いだから笑」だった。
クズだ、と一瞬で察した。
で、激冷めた。
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「……………」
彼は、しばらく立ち尽くしていた。
………………相変わらずクズだ。
なんとなく、何を言ったのかは想像がついた。
気づかれないように、そっと去ろうとした。
のだが。
「あれ、ユキ?」
…………………くっっそ、気付かれた。
「……………………エッ、人違いでは…?」
「や、絶対ユキだ。俺が振ったユキだ」
「喧嘩売ってんのかな??」
「やっぱりユキだ」
彼は、そう言ってふわりと微笑んだ。
中学生のときよりも王子度が高まっている気がする。
性格はクッッッソ、なんだが。
「……………何」
「………久しぶりに会ったのにひどくね」
「いや、こちとらお前にゃいい思い出なんかねぇんだが??」
「わーほんと久しぶりー、このユキの毒舌も。告白してきたときは、なんか女子ってかんじだったけど」
久しぶりに会った彼は、相変わらずだった。
そんな彼でも、いつも人気者だった。
なぜに?こんなクズなのに?
あのとき、まじでフィルターかかってたからまじで分かんなかったけど。
クズだから。まじで。
「ほんと、あのときは忘れられないわ〜。『好きです…!』って言って俺が『面食いだから笑』って言ったときの顔」
彼は、あのときの私の顔を真似した。
眉を寄せて、心底軽蔑した目。
「そう、その顔。てか、あれから俺に話しかけられたときいつもその顔してるよな」
「当たり前だろが」
「ひど〜」
だいぶ、面倒臭くなったので私は彼を無視して歩き出した。
「…どこ行くの?」
「…帰るだけなんだが」
「えー、なんで。俺もついてく」
「…いや、ついてくんなよ」
私は、彼を無視して歩き続ける。
が、彼はどこまでもついてくる。
私は、我慢できなくて声を荒げた。
「だから、ついてくんなってッ!!」
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どうしてこうなった。
なぜ、彼は私の家に、部屋にいる??
あのあと、彼はストーカー並みに脅威的なしつこさでついに私の家までついてきた。
そして現在。
「ッああ〜、うま」
私の部屋で酒を飲んでいる。
「お前まじでなんなんだよッ!!!」
「え、別に良くね。…はい、ビール」
「あ、ども。………じゃなくてッ!」
彼は、酒を片手に柿ピーをぽりぽり。
「まじで、良い加減にしてよ!ソラ!!」
私は、怒鳴っていた。
彼は、一瞬目を見開いてから微笑んだ。
「…やっと俺の名前読んでくれた」
どきっ、と心臓が鳴った。
…いや、どきっじゃないから。
こいつに、ときめいたら終わりだから。
私が、こっそり彼を見つめていると、
「…いる?柿ピー」
「…いる」
いや、それ私の金で買ったやつだから。
「いる?」じゃねぇわ。
でも、まあ別にいいか。
いや、よくねぇわ。
これは、だめだわ。だめなやつだわ。
また、好きになる。