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シティ・ロマンス 第七話
林沢レオ
いくらかの沈黙の後、佐倉さんが口を開いた。
「遊園地、明後日行っちゃうんだって」
「そうなんですか」
「寂しい?」
「うーん…こういう雰囲気も嫌いじゃないですけど…静かにいる方が…なんていうか」
「…そう」
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「…じゃあ、お土産も貰っちゃったし、今日は思う存分楽しんじゃおっかなぁ!行くぞー!!」
「あ、レポート書かないといけないんで、帰ります」
「は!?」
「うわビックリした」
「もうちょっといてくれたっていいじゃん!」
「そうは言っても単位落としちゃいます僕」
「そんなん知らないよ辞めちゃえ大学なんて」
「そんな!」
「やーだーもっといて、ダメ?」
いつもの数倍輝く佐倉さんの目に僕は逆らうことができなかった。
「…わかりましたけど、パソコンとか持ってきてないんで一回帰りますよ。また戻ってきますから」
「そうこなくちゃ!」
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家からパソコンと図書館で借りた本数冊を持って、僕は家を出た。駅前で猛スピードで走るトラックに轢かれかけながらも、なんとか公園へ辿り着いた。
「おっかえりー!」
「どうも、って、お酒呑んでるんですか?」
佐倉さんの手には瓶のビールが握られていた。
瓶に唇をつけ、幸せそうに目を閉じた。
「今更?ここにいる時大体呑んでたんだけど」
「気付かなかったです。てかどこで買ってるんですか」
「ちょっと今は言えなーい」
「困りますよ、僕のレポートの邪魔したら」
「わかってるって大丈夫大丈夫」
佐倉さんの豪快な笑い声は多分月にも届いた。