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嘘の努力
「 」セリフ
( )心情
( 動作、状況説明
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「お母さん!英語で100点取れた!!」
『あらー凄いわね!沢山頑張ったもんね!』
「うん!!」
中学二年生の二学期期末テストの解答返却。
一番苦手な科目の英語で100点が取れた。
一年生の頃から目標にしてきた《英語100点》
その夢が叶ったと同時に、今までの努力を認められた。
嬉しかった。とても嬉しかった。
努力を認めてもらえるってこんなにも嬉しいだ
そう思った、だから頑張ろうと思えた。
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「受かってますように. . . !」
『時間になったわ、結果を見るわよ。』
ポチッ 【不合格】
「あ. . .」
『あら、勉強が足りなかったんじゃない?』
「え」
『ま、次はもっと頑張りなさい。』
『本当はこの時期に受かって欲しかったけど
仕方がないわね。』
二年生の10月に受けた準二級。
さっきまで隣に居た母は自室へと戻っていった
そして、私は独りになった。
お母さんの言葉が頭にこびり付いて離れない。
“勉強が足りなかった”“もっと頑張りなさい”
正直、よく意味の分からない言葉だった。
理解が到底出来るようなものではなかった。
お母さんは知っている筈だ。
私が大好きなピアノを弾く時間を削って、
家でも何回も過去問を解けるまで解き直して、
単語も暇さえあればいくつだって覚えて、
お母さんがアドバイスしてくれた事もやって、
ライティングもリスニングも沢山練習した。
それを一番側で見てきたのはお母さんだ。
その人が分かってくれなかったら?
私の努力はどこに消えていったの?
「そっか」
結果が出なきゃ、努力なんて塵と同然だよね。
この世界は自分基準でも事実が基準でもない。
他人が認めるか、認めないか、なんだな。
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ここまで読んで頂きありがとうございます!
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