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召喚士
「召喚士」
ヒュー、ヒュー
乾いた風が吹き抜ける廃ビルの一角にて、激しくも静かな召喚士同士のバトルが行なわれていた。
「|水生物《ウォーターマン》召喚」
頬に傷のある少女、アカネが水生物の召喚魔法を唱えた。
するとアカネの周りに水が集まり、一つの龍の形へと変化した。
龍はアカネの反対側に立つもう一人の少女、ユリへと襲いかかる。
ユリは襲いかかられても表情一つ変えずに炎魔法で焼き払った。
「ちっ」
アカネは自分の攻撃が当たらなかってことにイラつき、舌打ちをした。
「|炎虎《ファイアータイガー》召喚」
今度はユリが炎魔法で炎虎を召喚。
炎虎は人蹴りでアカネの近くによると、大きな口をカッと開いた。
その口から炎が出された。
近く過ぎてよけられなかったアカネはまともに炎を受けることになった。
「があぁぁぁっ!」
アカネは叫び声をあげると後ろにバタンと倒れた。
まだ生きているようで、火傷したところを押さえてうずくまっている。
ユリはツカツカ歩み寄ると、アカネの頭をぐりぐりと踏んだ。
「あぁぁっ!」
アカネは身をよじって逃れようとする。
ユリはそんなアカネを嘲笑い、炎サソリを召喚し炎であぶって殺した。
アカネの最後の断末魔は
「ユリ、ゆるさんぞぉぉぉ」
だった。
ユリはアカネの死体を灰になるまで焼き払うと、廃ビルを後にした。