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2 魔王(の家臣)の子育て
「この多数決は、誰が一番母親として適任しているか決めるためのものだ。ルールは簡単。投票権を持っているのは壇上の4人以外。そして一人一票。悪意のある票は受け付けない。本心を入れるように。決まらない人は白紙を入れなさい」
魔王がそういうと全員の家臣の手元に白い紙とペンが現れる。
サッサッサ……。
書き終わった家臣が魔王に「どこに入れるのですか?」と聞くと、空間魔法が開かれる。
「そこに入れてくれると助かるよ」
魔王がにっこりとほほ笑むとその場に緊張感が走る。
その家臣がそっと空間魔法の中に入れると、ぞろぞろとほかの家臣たちも票を入れる。
魔王の威圧感はすごいものだ。
家臣全員計759票を入れたことを確かめてから集計が始まった。
「フェンリル夫人……189票、ルミルーネ夫人、191票……ウィンディーネの姉ウォーティ夫人、191票、その妹マリティ夫人、188票。よって、ルミルーネ夫人とウォーティ夫人の勝利とする。では次の段階に行くね。ルミルーネ夫人とウォーティ夫人の二人で多数決を取ろうじゃないか。決まらなかったら次はフェンリル夫人とマリティ夫人の多数決にするからね」
そんなこんなで多数決を取った結果、反則が見つかり3人の票が無効となって、全員の票数が同じになり、なんやかんやでじゃんけんになった。
「じゃんけーんぽん!」
じゃんけんは5分ほど続き、私の母親はルミルーネ=ワイ=ヴァーン、そして父親は魔王、ルイゼル=ディア=ヴァルゾレイアとなった。