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2-7
呆然と立ち尽くしていると、遠くから見ていたのであろうあおちんがやってきた。
「あおちん…!」
泣きそうになりながらあおちんを見上げる。
「何があったの?」
「えーっと、」
と事の経緯を話し始める。
みおりんに自分の考えを押し付けてしまったこと、それでみおりんにまくしたてられて、何も言えないままみおりんはどこかに行ってしまった、ということを。
「あ"ぁー…。とりあえず謝りに行く?私ちょっと話してみるから、タイミング良い時に来て」
「ありがとう…!」
あおちん頼りになる…!
2人でみおりんを探していると、優とたまっちも手伝ってくれた。
しばらく探していると、裏庭の端っこに居た。
あおちんが話しかけに行こうとするが、その時、逆方向からある人…れいれいがやってきた。
「みおりん、横良い?」
ビクッ!と肩を震わせる。
「安心して、みおりんに話しかけないから。私が1人で話すだけ。ダメかな?」
そういうと安心したように頷き、少し端に寄り、れいれいが座る場所を作る。
「ありがと」
れいれいはそこに座ると、独り言のように話し出す。
「私さ、ちょっと前までいじめられてたんだよね。まぁ『いじめ』っていうよりは『いじり』っていうほうが良いんだろうけど。私って自分で言うのもなんだけど、勉強できるみたいでさ。それに加えて表情が乏しいから、すました顔で勉強できる嫌なヤツみたいになっちゃってさ」
ずっと下を向いていたみおりんの頭は、れいれいの方を向く。
「小学校高学年になった頃にはそうだったから、中学に上がる頃には慣れちゃったんだけどね。中学最初のテストの時、いつも通りみんなにギャーギャー言われて。私は、うるっせぇなぐらいに思ってたんだけど、春休みにここで一緒になってたまたまクラスも一緒になった優がね、助けてくれたの。そこで気づいたんだよね。自分に言われた言葉で傷ついてくれる人がこの世に存在するんだって」
思わず3人で優の方を見ると、グッ!と親指を立てている。
「そういう、人生において大切なものっていうの?をここで学んだ子、多いと思うんだ。れんも、そういう事が言いたかったんだと思う。距離感とか言い方とか色々間違えちゃったんだろうけどね」
しれっと私のこともカバーしてくれて…!出来る女ですわ。れいれいは絶対将来バリキャリウーマンよ。
「あれは、う、私も悪かっ、たの。、私がずっとウジウジしてて、1個1個に上手く返せ、なかったから。そんな自分がヤになってキー!ってなって、」
みおりんの思いを知って申し訳なくなる。私が悪いことしたのに、そんな風に思わせてしまって…って。
「そっか、れんさ、みおりんに謝りたいらしくて、ずっとそこで見てるんだけど、話してみる?」
「…うん。仲良、くしたい」
みおりんがそう言うと、れいれいは嬉しいそうに口を開く。
「じゃあ、行こっか」
そう言い2人は私たちの方に向かってくる。
どうしようとあおちんの方に目を向けるが、あおちんはたまっちと優と一緒に遠くの方に行ってしまった。
1人で頑張れってことだよね。私が悪いことしちゃったんだし。
よっしゃ!頑張って伝えるぞ!
「れん、みおりんと話せる?」
「うん、私も話したかったんだ。れいれいありがと」
そう言うとれいれいは頷き、あおちんの方に向かう。
「みおりん、ごめんなさい!最初を見たとき、ちょっと前までの私―、ここに来る前の私に似てるなって、そう思ったんだ。だから、みんなが私にやってくれたことをみおりんにすれば、仲良くなれると思って…。でも、やり方色々間違えちゃって…。本当にごめんなさい」
どんな顔してるんだろう、とチラッと顔を見てみると、みおりんは、泣いていた。
「へっ?あっ、泣っ!あ、わ、わたくし、また何かとんだご無礼を??」
私が慌てるとみおりんは少し冷静になったようで急いで首を横に振る。
「、違うの。う、私も、悪いこといっぱい言う、たのに、自分だけが悪い!みたいに思わせて…」
「いやいや!私が全面的に悪いから!ホントに!そんな風に思わせてしまってそれこそ申し訳ない…!」
「先に言う、たんがそっちでも、私も悪いこといっぱい言っ、たし…」
ひたすら謝り続けて終わる気がなさそうな私たちに向かってあおちんが言う。
「はいはい、2人とも自分が悪いって思ってるんだし、仲直りで仲良し!それでいいじゃん!」
「そうだね、みおりんもそれでいい?」
「うん、私、もそうしたい」
「あぁぁぁあ!」
「え、何?」
私が急に大声を出したから、あおちんがギョッとしたように私を見つめる。
「あ、ごめん。急に大声出して。なんか、みおりんの喋り方、違和感あって。なんでかなぁって考えてたんだけど、関西弁!」
「関西弁?」
あおちんが不思議そうに聞く。
「だから、みおりんの喋り方に違和感あったんだ」
さっきまで一対一でみおりんと話してたれいれいが納得する。
「そ、そんなわかりやすい?」
いたずらがバレた子供のように分かりやすく吶る。
「うん…だって、私は思いっきり関西弁話してるの聞いたし。あ、ごめん。なんか地雷、みたいな嫌なとこ踏んじゃった?」
「こっちに引っ越してきたとき、関西弁直ら、なくって。それで、いじめられちゃって…。学校行け、なくって」
「そーなの!?関西弁めっちゃ可愛いのに!私、関西弁喋る子好きだよ!私が喋ったらエセ関西弁になっちゃうけどね」
優が照れ笑いしながら笑う。
「ホン、ト?」
「うんうん。少なくともここにはさ、関西弁で、笑うようなヤツいないし。ここでは、肩の力、ちょっとぐらい抜いてみたら?」
「、そうする。みんなありがとう!」
この回でれんもみおりんも少し大人になれたのではないのでしょうか!
あと、やっとれいれいを活躍させることができた…!
ファンレターくれると嬉しいです!
最後まで読んでくださりありがとうございました!