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窓際会議
人の噂も七十五日
大声で喋る二人組の女性は窓際の席に座り話し込んでいる。
店員も人が少ないためか特に注意する様子もなく注文を受けている。
??「私パンナコッタとウインナーコーヒーで、ナノカは?」
ナノカ「そうねあたしはミルククレープとストレートティーで」
??「、、、あ、パンナコッタにミントはつけなくて大丈夫です。」
ナノカ「イツカはいつもそれわざわざ言うよね、不思議。」
イツカ「ミント苦手でさ、うん。万が一のためにね。」
二人組の女性はイツカとナノカというらしい。
イツカという女性はナノカも言っていた通り不思議な人だ、パンナコッタにミントをつけないで、なんてわざわざいう必要あるだろうか?ついていても手で取れば良いのに、ミントの匂いがついたパンナコッタも無理なのかな。不思議。
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新しい価値観に出会いふむふむとメモを勝手ながら取っていると、イツカとナノカは再び話し始めた。
イツカ「雨、止まないね。」
ナノカ「もう何日も止んでないね、まだ春なのに。」
イツカ「このまま止まなかったらどうしよう、こわい。」
ナノカ「止まない雨なんてないよ、、、、もし止まなくてもあたしが一緒にいてあげるから怖くないよ。」
イツカ「ふふ、ありがと、大丈夫、ちょっと妄想したら怖くなっただけだから。」
ナノカ「なんだよもう、心配して損した、あっパンナコッタきたよ。」
確かにここのところ空を覆っている雨雲は消える面影がない。むしろ強まっている。
春だというのにこの雨雲達は桜が嫌いなのか、雨粒によって桜の木々を襲い、瞬く間に葉桜へと変えていった。
自分の名前でもあるからだろうか、ワタシはみずたまりが好きだ。みずたまりに映るくぐもった空や風景が好きだ。みずたまりに映る少し歪んだ人の顔が好きだ。
でも、雨がやまなければみずたまりのなかの景色は見れない。早く止んでくれはしないものだろうかこの雨は。
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イツカとナノカは運ばれてきたお菓子を突いているようで先程とは違いあまり話していない。
互いのお菓子を交換し合いながら感想を述べている。
イツカ「おいしいね。うんうん、これはふむふむ言いながら食べるものだ。」
ナノカ「何その感想、パンナコッタ、ミントついてなくて良かったね。」
イツカ「事前申告ってやっぱ大事だよね、ふむふむ。」
ナノカ「あんたは慎重すぎるんだよ、、」
イツカ「石橋を叩いて渡る的な感じだね、ミルククレープ一口もらうよ。ふむふむ、喫茶店の味って感じ。」
ナノカ「あ、ちょっと、じゃああたしもパンナコッタ一口もらうわよ、、、苦いわね、、うん。」
イツカ「ナノカはコーヒー苦手なんだよね、子供舌。」
ナノカ「子供舌って言い方やめてもらえるかしら、紅茶に慣れてるだけよ。」
ワタシは逆に紅茶が飲めない、コーヒーは飲める。カプチーノは大好きだ。冷めてても飲める。
ナノカはコーヒーが苦手なのか。損してるとまでは言わないが飲めた方が色んな味に出会えて楽しいと思うが、、、いやワタシは紅茶が飲めないので押し付けるようなことは言えない。自分のことを棚に上げるのは良くないのだ。ところでワタシは何故紅茶が飲めないのだろう、明確な理由は特に思いつかないがなんとなく避けてきた。幼少期に紅茶を飲んで苦い思いでもしただろうか、、、思い当たらない。先入観による食わず嫌いで避けてきたのかもしれない。これは良いチャンスだ。紅茶を頼んで新たな体験でも得て小説のアイデアでも思いつこう。
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店員を呼ぼうとしたその時、カフェの中に誰かが走り込んできた。
作者はコーヒーが飲めません。カフェイン中毒というか紅茶以外のカフェイン飲料を飲むと頭痛が酷くなるんですよね。
紅茶は週三で飲んでますよ。血液。
不定期投稿、時々思い出したかのように更新が早くなる。