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本編18
「はあ…」
朝、司先輩にメッセージを送ってみたが、既読にすらならない
今は昼休み。購買で買ったパンを片手に何度もLINEをチェックする
もう何時間も経ってるというのに、まだ…
「……寝てるだけかもしれないしな…」
大丈夫、と心に言い聞かせてスマホを閉じる
『ねねね、最近天馬見なくない?』
「!」
『あ〜天馬?あの人最近ずっと来てないよ』
『え、一年の時から滅多に休んでなかったのに?』
『それがさー、なんかいじめられてたらしいよ?』
『えうそ、高校でもいじめなんてあるんだ』
『ねー、しかも結構酷くてさ………』
…先輩の話、結構広まってるな
咲希さんの耳に入るのも時間の問題かもしれない
「…今日、すぐ話したほうが良さそうだ」
メッセージを送って、返事が来るのを待つ
神高も宮女も、下校時間は同じくらい…だといいが…
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「ん、とーやくんからだ…」
<「咲希さん、司先輩のことについて少しわかったので、今日の放課後話せたりしませんか?」
「え…!?も、もうわかったの!?」
やっぱりお兄ちゃん、何かあったんだ…
少し怖いけど…お兄ちゃんのこと心配だし…
「ほんと!?今日の放課後だね!アタシ神高行くよ!校門前集合で!」>
よし…
お兄ちゃん…アタシに話せない悩み事ってなんだろう…
「うーん…ショーのことかなあ…」
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「あっとーやくん!」
「…咲希さん、わざわざこっちに来てくれてありがとうございます」
「いえいえ!それで…お兄ちゃんのことなんだけど…」
「…っ」
「話しても…信じてくれますか」
「え?」
「こんな話、信じたくないと思います、信じられないと思います」
「信じて…くれますか?」
「う、うん…とーやくんが嘘つくなんてなかなかないし…」
「ありがとうございます」
「…………………」
「……司先輩は___」