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〖𝐏𝐫𝐨𝐥𝐨𝐠𝐮𝐞〗
「じゃあ、また短カフェの世界で!」
「うん。ばいばーい!」
学校の帰り。
《《黒色の髪をポニーテールに結った》》私は真っ先に自分の部屋へ向かい、《《体操服のまま》》"短編カフェ"と書かれたサイトを開いた。
"えくれあ"という|名前《ユーザーネーム》のアカウントにログインし、呟く。
「んー、何しようかなぁ……今日はからまほ書けないしなぁ……。」
ちなみに からまほ とは、私が"ちょこぱんだ"という別のアカウントで書く、二次創作の小説である。
本家の動画を見ながら物語を進めているのだが、本日は諸事情により肝心の動画を見れない。
(早く続き書きたいけど、今日はお預けだなぁ……。)
そう思いながら|皆《短編カフェユーザー》の日記や小説を見たり、面白そうな自主企画を探したり……。
「っていうか、からまほ書くの手伝ってよ。お前が発案者だろ?」
ちょいとお口が悪い|現実《リアル》の私が言葉を向けた先には、妹。
こいつもまた"てん"という|名前《ユーザーネーム》のアカウントを持っていて、今は誰かの自主企画に参加するため、テンプレートを書いているんだ。
「えぇ〜気が向いたらねー」
「っていって毎回やってないんでしょーが。このクソガキ。」
「はいはいクソガキでぇーす」
いつものように軽い口喧嘩をし、同じ内容を繰り返すことにバカバカしくなって「めんどくさ」と口を閉じた。
「あ゙あ〜! |プリ小説《別の小説投稿サイト》でフォローしてる人の神小説読みたい゙い〜!!」
今日は制限時間超えちゃって、もう読めないんだよね。
ん? どんなのを読んでるか?(聞いてない)
二次創作とか、異世界転移系とかかな。
あ、じゃあ画面越しの皆さんに質問です! 貴方は異世界転移を信じますか?
異世界転"生"じゃないですよ。転"移"です。
私は信じるか信じないかと言われると、信じない方かな〜。
「あったらいいなぁ、なーんて。」って笑うくらい。
だって、思わないじゃないですか。
異世界転移が存在するなんて言われても、信じないでしょう?
私もその中の一人。
でも……
「|己がそんな《自分自身が異世界転移してる》状況だったら、信じるしかないよなぁ……。」
"《《黄土色のショートカット》》、《《黒パーカーの少女》》"が、困惑の表情でそう呟いた。
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「おれが、もう少し早く帰ってたら──。」
"時間"
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「お金さえあれば、母さんは助かった。」
"富"
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「きっとまた、裏切られるだけだから。」
"絆"
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「自分を認めて欲しかっただけなのに……。」
"承認"
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「愛……。わたしの人生には、無縁のモノ。」
"愛"
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どれも、人の人生には必要なもの。
〝世界が窮地に見舞われた時、
五色のあめが降る。
五色のあめは、元凶を討ち、世界を改革する。〟
世界の古い言い伝え。
これは…
さまざまな過去を抱えた五人が
世界を変えるものがた
--- ブツッ ---
--- ザッザザ……ザ……ザザッ…… ---
--- ["世界を|複製《コピー》し、データが上書きしました"] ---
さまざまな過去を抱えた五人が
世界を変える物語
ではなく
「えええええ!? どこここぉぉおおおお!!?」
「スッー……この世界……私が書いてる小説です……。」
「ははっ! 僕ミッキー☆……え、引かないで!?」
その物語の作者と仲間たちが、何らかの拍子に異世界転移してしまい
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「この世界はきっと、私の《《書きかけの》》小説なんです。そして……《《結末が決まっていません》》。」
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作者にさえ分からない結末を求め
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「結末がないなら、作ればいいやん。」
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物語を"作って行く"話だ───。
物語の結末を。
𝐒𝐓𝐀𝐑𝐓___
R07/04/10
ひっそり一部修正