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魔法の宝石 I-2 日常に疲れた私は
魔法の宝石、I-2です!
自主企画に参加していただいた方々、ありがとうございます!
今回、あと次回、多分主人公のやばさがMAXです。気をつけてください!!
本文どうぞ!
ああ、疲れた。なんでこうもいじめられなければ…
妖精も宝石もないけど、私は人なのに。
いじめられるためのサンドバッグじゃないんだよ?
妖精と宝石を持っていることが、人である条件なの?
でも、私は確かに人で、機械でもなんでもない。
……はは、私は一体誰に主張してるんだろう。
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「ねえー今日はどうするー?リズー」
独特の間延びした声。
__リズ、と、ダイヤモンドのヨルだ。
またいつもの通り、暴力を受ける。
その時、1人の人影が見えた。
「すいませーん、おくれましたあ〜!……あっ!この子ですか?いじめ放題のサンドバッグって!」
「ちょっとアレン、大きい声でそんな物騒なことを言うのはやめてちょうだい。」
「そうだよー別にー、意味もなしにいじめてるわけじゃないしねぇー」
「あ、すいません!ええっと__妖精を持ってない可哀想な人、初めまして!あたし、アレン・ソルピー、アレキサンドライトの妖精使い!いっぱいいじめさせてもらうね♡よろしく!」
「……」
げんなりとそいつ__アレンを見る。
サイコパス、それともパッパラパー?腹黒さが圧倒的に透けて見えて、無邪気っぽさがまるで感じられない。
「__じゃあアレン、私たちは一度戻るわね。人目には気をつけること。特に先生はね。」
「ええー?私なれてないんですから、先輩たちどっちかはいてくださいよー。」
「え?__はあ、(面倒だな)じゃあ、ゾーレン呼んでくるから。じゃあね」
__ゾーレン。ゾーレンか。
しばらくすると、1人の男がやってきた。
「…チッ、なんだよ。__お前は誰だ?」
「ゾーレンさんですか?あたしアレン・ソルピーです!」
「__ゾーレンだ。で、なんで俺は呼ばれたんだ?」
「あたし初めてだけど、先輩たちが帰るっていうから、いてくださいって言ったらゾーレンさん呼んでくるって」
「はあー……わかった。__おい、さっさと行け」
「え、で、でも__」(妖精、ララ)
「お前に発言権はない、さっさと行け」
「………ごめんなさいっ!__ポムグラネイト」
手榴弾が飛んでくる。それを、ああ、飛んできてるなあ、と見つめる。
「__っ」
小さいけれど威力の強い爆破が起こる。
「おい、手間取らせるな。ずっとやってろって何回言えばわかるんだ」
「……いやだ…わたし、こんなこと…………」
「自分にポムグラネイト」
「…っあ」
大きい爆破が彼女を包んだ。
妖精を持つ相手に全ての権限はあるから、妖精は自分に技を使うことも望まれればするしかない。
「まだ反抗するか?」」
「もういやです!こんなこと、したくな…」
ポムグラネイトの爆破が次々と彼女を襲い、彼女は火傷だらけになった。
「__さっさとしろよ」
「____っ!」
ララはまったく善人だ。底抜けの善人だけれど、こうまでされたらもう、私をいじめるしかない。普通そうだろう。いくら底抜けにいい人でも、途中で、なんでこうまでしてやらなければならないんだ、という怒りが湧き上がってくるものだ。
アレン・アレキサンドライトはそれを楽しそうにみている。どうやら本当にサイコパスなようだ。
「先輩、すごいですね!よーし、あたしもー!キララ(妖精)、アレキサンドライト・デブリー!」
大量のアレキサンドライトの欠片。
そこまで深くもないけれど、いくつかが刺さった。
そこに、ララのロードライト__熱を発生させる技がかさなり、熱さと痛みが襲った。
「あー、楽しかった!それじゃああたし、そろそろ帰ります!なので先輩も、帰りたかったら帰ってもらって結構ですよ!ありがとうございました〜!」
「じゃあ、ララはもう少しやってろ。俺は帰る。」
「えっ__」
「あと15分やったら帰ってこい。こいつと馴れ合いごっこなんてしたら、ポムグラネイトが五つ以上、お前に当たるからな」
「__」
ララは絶句した。ゾーレンが自分に当てるのに要求するのは、普通の妖精だったら二、三発くらったら死ぬぐらいの強さなのだ。
でもララはタフで、このゾーレンという主人から逃れられない。
可哀想だな。
そのあと、私はガーネット・ロープという宝石ほど硬い縄でしばられ、ポムグラネイトとロードライトを当て続けられた。
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家にはもう親がいて、私は訳のわからないものを見るような目と、ゴミを見るような目が混ざったような酷い目で見られた。
言い返す気力もなく、自分の部屋へと行った。
気分を変えたくて、早めに風呂へ行くことにした。
湯船の温かさに浸かると、もう戻りたくなくなった。このまま消えてしまえないだろうか。
冗談のように軽く、本気でそう思った。
__まあ、無理だよね。
立ち上がり、とてつもない喪失感を覚えながら風呂を出た。
その喪失感と、消えてしまえないかという考えは、なかなか消えてくれなかった。
はい__どうでしたでしょうか?
アレン・ソルピー→純白凍土様
https://tanpen.net/novel/5f0f8c18-687e-4ff7-bfa1-5b969eaf3daa/
ゾーレン→紅虹 蚯蚓様
https://tanpen.net/novel/6753c252-ea59-41d6-8542-210058f70066/
わりと今回アレンジさせていただきました…年齢とか、キャラの一部とか。ちなみにヨルは普通にオリキャラです。
自主企画参加ありがとうございました!他に参加してもらったものも、少しずつ出していきます。