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Area player 7話
「そうだけど…」
「そうか,じゃあ自己紹介でもするか」
このボロアパートまで案内してくれた方が,すみませんねぇ…みたいな目で見てくる。(細目だから分かりずらいが)
俺は用意されていた来客用の座椅子に座る。和室には似合わない大量の漫画,フィギュア,アニメグッズの山があり落ち着かない。
漫画の重みでいつかアパート潰れるぞ…これ…
案内してくれた娘も座椅子に座っている。
でもなぜか神さんと呼ばれた人だけゲーミングチェアに座っている。
「私の名前は……ない…」
「へ?」
なんだか間抜けな声が出てしまった
「私の前科でな。名前を捨てないといけなくなった。神様って呼んでくれ。」
「神さんって読んであげてください」
案内してくれた娘が口を挟んだ。
「じゃあ,神さんって呼びます」
神さんは一瞬何か言いたそうな顔をしたが何も言わなかった。
「こっちの3頭身の方は梅(めい)だ。ここのメイド長。」
「神さんの飼育係です。メイド長じゃないです。あと式神です。」
「メイド長だ。あと話は変わるが梅,この前買ったメイド服はいつ着てくれるんだい?せっかく買ったんだから着てくれよ。」
無茶な…
「着るわけないじゃないですか…コスプレ用だし…」
「まあいいや『今は』」
『今は』にものすごい執念を感じる…
「おい,魄」
「なんだ?」
「弾丸で東京行くぞ。」
「ここ滋賀だぞ…」
「つべこべ言わずついてこい。」
そういって神さんは首根っこを掴んで俺を引きずってった。
バトルものなのにバトルねーじゃん!