公開中
吸血鬼の少女は何を望むか。
---
私の一家、トゥレラ家は、吸血鬼の一族。
トゥレラ家に生まれた女は皆、吸血鬼だった。
お父様は「エマ・ディアヴォロス」という悪魔。
お母様は「クリオ・トゥレラ」という吸血鬼。
私が両親の所に作られた時、既にお父様とお母様は私に無関心だった。
一人で歩けるようになった頃に私に名前を付けて、その後は殆ど関わらなかった。
`テラス・エマ・トゥレラ`
「テラス」が名前。怪物なんて、酷い名前だと思った。
まぁ、殺されなかっただけマシだと思う。
館を与えられ、そこで一人暮らしすることになった。
沢山本を読んで、知識を得て、少しでも出来る事を増やした。
でも、一つだけ、如何にも出来ない事があった。それは、ご飯だ。
一応、赤い液体を飲んで飢えを凌いでいたが、それでも足りなかった。
6年くらい経った頃、お父様とお母様が私の様子を見に来た。
飢えていた私は、薔薇の枝で両親を捕まえた。
十字架を取り出すと、両親は目を見開いた。
両親の首に、十字架を刺す。悲鳴を上げる間もなく、両親は死んだ。
先にお父様を食べようと思ったけど、不味そうだったから食べずに潰した。
お母様は、美味しそうだった。試しに食べてみた。
...よく分からない味がした。でも、体が血を求めている。
血を吸って、すぐに吸い終わった。足りない。まだ、足りない。
『アハっ♪』
急に、楽しくなってきた。考えれば考えるほど、楽しみが増えていく。
とりあえず、|人間《食べ物》を探そう。
探して、殺して、食べて。嗚呼、楽しいなァ。
男はどれも、美味しそうに見えなかった。逆に、女はどれも美味しそうだった。
悲鳴を聴くのが楽しい。怯えた表情をもっと見たい!
「`化け物`」
殺した人間は皆、死ぬ前に私の名前を呟いたり、叫んでいた。
『はァい♪』
なんで名前を知ってるか疑問を抱きながら、笑顔で応える。
---
そんな毎日が続き、月日が経ち、何年も時が過ぎていく。
最近は、血以外でも空腹を満たし、栄養を摂れるようになった。
血よりも美味しいものはあるけど、血がやっぱり一番栄養がある。
『次は何する?何しよォか?あハㇵは!』
名前って凄いね。(主コメ)