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これでも太宰の相棒です
No side
『僕と君は会ったことがあるんだ。覚えているかい?』
麗華は半ばあきらめているように見えた。
「いや、その…もしかしたらッていう人はいるんですけど自信なくて…」
『…!ほんと?その子の名前は?』「え…っと確かエリカさんです。孤児院に一緒にいた人なんですけどいつからかいなくなってしまって…」『…敦君、ちょっといいかな?』「…?はい」
喫茶店うずまきを少し出た先で話す。
『敦君が言ったエリカは僕だよ。』「、え?」『よく覚えていたね。あっちゃん。』
あっちゃん。孤児院時代の敦君の呼び方だ。
二人の瞳は一層輝いて見えたが決して涙は見せなかった。
麗華side
『ただいま~!敦君と秘密のお話してた☆』「ずるいじゃないかぁ…恋人の私を差し置いて
敦君と話すなんてッッ…後で私にも聞かせてくれ給えよぉ…?」『はいはい』
太宰ならもうわかっているだろうね。それでも効いてくるから面白い。
そのあと谷崎くんたちと別れて太宰の家に遊びに行った。
「|組合《ギルド》はどうでした?麗華さん。」『どうもこうもないよお…あるけど☆』
「教えてくださいよぉ~!!」『えーっとねえ…もうじき敦君が狙われるね。』
「敦君が?」『うん!|組合《ギルド》の長、フランシスが言ってた。なんか、何かを見つけるために敦君が必要なんだって~!』「ほぅ…」『それとね、敦君僕のこと覚えてたよ』
そういいながら少しだけ視界が波打つ。
「私も敦君もずっとそばにいるから。大丈夫。もう《《あんなこと》》しなくていいんだ」
もう偽名も、人殺しも、強盗も、詐欺も、しなくていいんだ。
探偵社は安全。僕の居場所だ。