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第2話
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さあ少し、事情聴取の時間かな?
非日常的な出来事に蹌踉めきお先真っ暗だったが、それもこれも全て撤回撤収だ。
疲れの変わりに家が吹っ飛びました!なんて洒落にならないからね?
驚いている暇はないよ。
しかし之だけ云っておくが、決して私は神経が図太い方ではない。勿論家が吹っ飛んで飄々としていられる玉ではない。
何故驚き喚かないのか?
そう聞きたい輩も少なからず居るだろう。
というか、自分の家が吹っ飛んだら普通はそうだろう。
|答え《それ》は、驚きより優先するものが目の前にあり、確信的に動ける動機が揃ったからだ。
何故なら目の前で、煙に紛れる黒くて小さい男が顔面を蒼白にし、引き攣った笑みを浮かべているのだから。
それが 決 定 的 な 証 拠 だろう?
嘆いても家は戻らない
見てしまったものも、今更忘れる事など出来ない
仕事帰りの浮腫む脚を動かし、枯れそうな喉から1オクターブ上の声色を出して
すみません
そう一声掛け、ニコリと男に微笑んだ。
『少し善いですよね?』
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