夏の遊園地

夏休みのある日、青空の下、遊園地の入り口に3人の仲良しな女の子たちがいた。|千奈《ちな》、|広《ひろ》、そして|佑芽《うめ》は、今日のこの遊園地を楽しみにしていた。今日は特別な日だ。彼女たちは、前日から計画を練り、乗りたいアトラクションをリストアップしてきた。 「まずは絶叫マシンに乗ろうよ！」 佑芽が目を輝かせて提案する。広は少し不安そうに首をかしげた。 「私の体力もつかな…」 千奈は笑いながら広を励ます。 「大丈夫ですわ！もしも何があっても|私《わたくし》が助けますわ！」 こうして、三人は手をつないで遊園地の中へと足を踏み入れた。色とりどりの風船、楽しげな音楽。道ゆく人の笑顔につられ、遊園地の中に入る。 まず、佑芽の提案通りジェットコースターに乗る。ジェットコースターの安全バーが降ろされ、発車する。ジェットコースターはゆっくりと上昇していく。目をつぶると心臓の音の音を聞きながら、隣の広の手を握る。 「もうすぐ頂上だよ！」佑芽の声が聞こえる。千奈は思わず目を開ける。目の前には青い空と遊園地の全景が広がっている。景色を眺めていると、全身が浮いたような感覚に襲われる。ジェットコースターが急降下を始めた。 「きゃああああ！」 千奈の声が遊園地全体に響き渡る。風が顔を撫ぜ、目の前の景色が一瞬で通り過ぎる。思わず広の手を強く握る。だが、登る時の恐怖が薄れ、ただ今この瞬間を楽しんでいた。 ジェットコースターが止まり、千奈は興奮の余韻に浸りながらシートを降りる。佑芽は「もう一度乗ろう！」と広の方に顔を向ける。しかし、広の顔は顔面蒼白だ。口から魂を出していそうだ。 「し、死にそう…」 広が微かに声を絞り出して言った。佑芽は広を支えて歩き始める。 「それなら、ショップに行こうよ！美味しそうなご飯があったんだよね〜！」 千奈と広は頷き、ショップへ歩き出した。ショップの前には色とりどりの看板が設置されている。机やベンチにはたくさんの人がいて美味しそうにご飯を食べている。 「まぁ！どれも美味しそうで迷ってしまいますわ！」千奈が言う。広の顔色も少しずつ戻ってきて、メニュー表を眺めている。 「私はチキンバーガーにしようかな！」佑芽が言うと、広も少し考えて答える。「じゃあ、私はホットドッグにする、ね。千奈はどうする？」広が聞くと千奈はメニュー表を何度も往復した後「では、|私《わたくし》はフライドポテトとチキンナゲットにいたしますわ！」 3人がそれぞれ注文を終え、近くのベンチに座る。佑芽はチキンバーガーを齧り「やっぱり美味しい！」と言い口いっぱいに頬張る。広はホットドッグを食べて完全に元気が戻っていた。 --- 楽しい1日が過ぎ、千奈、広、佑芽の3人は最後のアトラクションとして観覧車に乗った。夕暮れの光が遊園地全体を包み込む。 「今日はとっても、楽しかったね！」佑芽が笑顔で言うと2人は頷く。広も「ジェットコースターでは死にかけたけどもう一度乗りたい。」と言う。 「なんだか1日がすぎるのがあっという間ですわね…。なんだか寂しいですわ…。」 千奈がそういうと佑芽はにっこりして「次は動物園とか水族館とか行こう！」広も頷き「また3人で遊ぼう、ね。」と言う。 3人は互いに感想を言いながら、観覧車はゆっくりと降下をし始めていた。