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第七章 初めての制服
第七章は杏ちゃんの初登校の回です。
最後まで読んでいただけると嬉しいです!
「お、おはようございます……!」
私、睦月杏は本日から高校生活が始まるのですが……
「すみません、私中学……なんなら小学校もまともに行けてなくて……制服の着方ってこれであってますか……?」
昨日の夜奥さんにもらった制服の着方が分からなくてピンチです……!
(昨日かってもらった雑誌と漫画で大体はわかったけど……)
私の声に振り向く3人。
「「「「「っ……!!!」」」」」
すると、空気であっていないことが分かる。
「す、すみません……違いますよね……」
すぐにボタンをはずし始める私。
「「「ここで脱ぐなーー!!!」」」
すぐに三兄弟さんたちからつっこみが入る。
「ああっ……すみません……」
(やっちゃった……施設では誰もそんなこと気にしてなかったからつい癖で……)
あわててボタンを閉める私に今度は、
「「「ボタン互い違いなんだよー!!!」」」
そう指摘が入る。
(もう、ボタンのある服なんて着たことないから慣れないっ……)
するとキッチンの奥で作業をしていた奥さんが歩み寄ってきた。
「杏ちゃん、一旦一緒に脱衣所にいきましょうか。……これ以上息子たちが無自覚攻撃を受けてるところ見てられないわ……」
最後の方はぼそぼそといったので聞き取れなかったけど、聞き直せる雰囲気じゃないので着かないでおいた。
脱衣所につくと奥さんがせっせと私に制服の着方を教えてくれて正しくきることができた。
(わあ……ブレザーだ……かっこいい……)
鏡を見るとさっき三兄弟さんたちが着ていた制服のスカートバージョンを正しく来ている自分が写っていた。
まだ脱衣所で作業をすると言う奥さんにお礼を言って脱衣所を出る。
「皆さん、これであってますよね……?」
一応確認のためにそう聞く。
「合ってるよ……はあ、いきなりはずるい……」
「ああ、女子の制服だからよく分からんが……
……俺の気も知らずに……小悪魔だ……」
「下僕、それが正規の着方だ覚えておけ……ちょっとあのままでもよかったけど……」
次々にぼそぼそと口にする三兄弟さんたち。
(さっきの奥さんもどうしたんだろう……)
気になったけど、やっぱり聞き直せる雰囲気じゃないのでやめておいた。
その後各自黙々と朝食を食べていると作業を終えた奥さんがダイニングテーブルの真ん中に座った。
「……杏ちゃん。言い忘れていたんだけど……」
「へ?私ですか……?」
(なんだろう……何かしたかな私……)
ちょっと心配に思っていると奥さんが口を開く。
「あのね……新しい学校の杏ちゃんの登録名、というか戸籍上もう幸川杏になってるの……」
「え、ええ!!」
(聞いてなかった……!危ない自己紹介で睦月って言っちゃうとこだった……)
「言うのが遅くなってごめんね杏ちゃん。」
申し訳なさそうにそう言う奥さん。
(奥さんが謝ることじゃないです……!)
「大丈夫ですよ!自己紹介で睦月って言っちゃうとこだったと思ってただけなので……全然心配しないでください……!」
胸の前で拳を握って強くそう言うと
「杏ちゃん……あなたやっぱり女神ね……」
そう拝めるように言う奥さんに苦笑いがこぼれた。
「「「いってきます」」」」
奥さんに向かってそう言って学校へ向かう。
私がいまから通うのはちょっぴり平均より頭がよいひとが通う進学校の公立高校。
(施設で来る日も来る日も辞書読み漁っててよかった……)
学校にまともに通えていなかった私の知識はすべて施設にあった辞書や古い本からきたものだ。
(国語と社会ができたからギリギリ入学できたけど、ちゃんと勉強しないとな……)
そう思いながら20分ほど歩いていると高校が見えてきた。
「杏ちゃん。あれが僕らの通っていて君がこれから通う高校だよ。前にもいったけど僕は生徒会長をやっているから分からないことがあったらなんでも聞いてね。」
そう言ってくれる優斗さん。
「ありがとうございます!」
私はふわりと笑顔を作ってそう言う。
すると優斗さんは一瞬顔を赤くしてすぐに悠斗さんになにか耳打ちする。
「ーーーー」
「わかったよ。言われなくてもそうするわ。」
悠斗さんはいつものぶっきらぼう口調でそう答えていた。
この度はこの小説を読んでくださりありがとうございます!
今回は杏ちゃんの初登校の様子を描きました。
といってもまだ教室の様子を描けていないので次回は教室の様子を描きたいと思います。
次回も読んでいただけると嬉しいです!
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最後まで読んでくださりありがとうございました!