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彼は、まだ友達でいたい。
ふわりと、ホワイトムスクの香りが広がる。
スマホをスクロールする手を止めると、俺の背後にいる彼───幼馴染の真央は、ふてくされたように言った。
真央「ね〜え、何見てんの、優?」
優「ん、教えな〜い」
真央「スマホじゃなくてさ、構ってよ。」
ぶすっと口を尖らせる真央に、沸々と加虐心が湧いてくる。
ああ本当に、可愛すぎてどうにかなってしまいそう。
優「...どうしよっかなあ」
真央「えぇ!いつもは構ってくれるのに〜...!?」
分かりやすい反応に、思わず口から笑みが溢れる。
じゃあちょっとだけ、今日は意地悪してみよっかな。
優「じゃあさ、俺が見てたスマホの中身。当ててみてよ」
真央「いつも見せてくんないのに...ゲキムズじゃん!」
えぇ〜なんて唸る真央に、にこにこと視線を送っておく。
すると真央はこちらを一瞥し、眉を若干下げ、答えた。
真央「......僕の写真、とか?」
優「...え」
いや、流石に自意識過剰すぎるか〜?なんて笑う真央に、一瞬言葉を失う。
そして、思わず口が動く。
優「そうだよって言ったら?」
優「俺が、真央のこと好きだよって言ったら?どう思う?」
真央「......へ」
言ってしまった。
もう後戻りはできない。
ここで真央が拒絶するなら───俺は、
真央「嬉しい」
優「...ぇ」
真央「だって、大好きな優が、僕のこと面と向かって好きって言ってくれるんだよ?」
真央「嬉しいに決まってるじゃん!」
分かってる。俺と真央では、「好き」の種類が違うって。
でも、その言葉に俺は、へなへなと真央に倒れ込んだ。
優「...そんなの、ずるくない?」
真央「えっ、何、優?ゆ〜う?大丈夫?」
優「なんでも〜...俺も大好きだよって話」
真央「へへ、知ってる!」
そう言って笑う真央に、俺が本当の気持ちを伝えるのは、まだ先になりそうだ。