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【曲パロ】生きる/水野あつ
**『ちょっとばかり、生きてみようかな』**
部屋の隅で体育座りをしていた。
天井のシミを眺めながら、今日も一言も喋らなかった自分を思い返す。
学校に行かなくなって、もう何日が過ぎただろう。
外の音は聞こえる。犬の鳴き声や、車の通りすぎる音。
だけど、それが自分の世界とつながってる気がしない。
いつからだったか、明日が怖くなったのは。
引きこもって、ご飯を出してくれる母の顔もまともに見れない。
ごめんね、って心の中で繰り返すたびに、声に出せない自分にイラついた。
パパとママに、
“ありがとう。”
それだけなのに、言葉にできない。それが辛い。
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机の上には、投稿したまま放置していた自作の歌が表示されていた。
何の気なしに作った言葉の羅列。メロディも不安定。だけど、コメントがいくつか付いていた。
[この曲に救われました]
[ありがとう。生きてみようって思えました]
……生きてみよう?
なんでだよ、俺なんて、ただの逃げ腰のくずなのに。
だけど――
こんな俺だって、人を救えるのなら。
この言葉が、本当ってわかったら。
ちょっとだけ、
ほんのちょっとだけ、生きてみようかなって思う。
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「行きたくないわけじゃない」
ふと出てきた独りごと。
いつも1人。それを笑われるのが怖かった。
だからと言って、話すのも怖い。
ただそれだけで、学校に行くのをやめた。
こんな”僕“で、ごめんね。
でも、もしかしたら、明日もまた誰かがこの歌を聴いてくれるかもしれない。
独りきりだって思っていたこの世界で、誰かとつながってる気がした。
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誰にも聞こえない声でつぶやいた。
「__期待されないくらいが、楽なんだよな__」
親に将来のことを言われるたびに、ずっと思っていた。
周りと比べられて、自分がどんどん小さくなる。
**大丈夫、僕なら、大丈夫。**
……そう願っていたのは、いつの日だったっけ?
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過去も、今も、未来も。
全部が嫌いだったけど、全部が愛しくも思えた。
夜の星が消えるみたいに、
俺もいつか消えるんだろうか。
・
・
・
………それでも、今日を生きたこの感覚が、
僕の「生きた証」になればいい。
明日には、生きているのかな――。
わからない。
だから、今日は、もうちょっとだけ。
ちょっとだけ、生きてみようかなって思うんだ。
わがままかもしれない。けど、僕の、、
`俺の人生を決めるのは俺だ。`
どうでしょうか!曲パロをよく書いている|彩《彩り豊かな小説を。》に教えてもらいました!
改善点教えて欲しいです!