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春夏秋冬の反対者たちは
ナオハ
あるところに、4つの国がありました
平和を愛し、皆が優しい心を持つ春の国、スプリ
戦争こそが正義、他国や他の村を襲う夏の国、サーマ
皆で協力し、自然とともに生きる秋の国、フオル
自分たちのために生活する、冷酷な冬の国、ウィタ
その国のルールに反対するものがいました
「あー…平和すぎてつまんねぇ…」
僕はエイリル、14歳
僕が住んでいる、春の国スプリは平和を愛している国だ
戦争がないことはまあいいんだけどさぁ…
もうちょっとスリルっていうものがほしいよなー…
この国は平和ボケし過ぎなんだよ…
ああ!夏の国が羨ましい!
「はあ…はあ…ちょっと休憩しません?」
「いや!だめだ!たとえ女性とあろうが、鍛えれば軍隊に入れるぞ!」
私はオーガ、13歳
ここは戦争が正義の夏の国、サーマ
私は確かに強くなれば自分の身を守れるかもしれない
でも、訓練や戦争ばっかりで、体力のない私はいつも疲れちゃう
もうちょっとゆったりと生活したいなぁ…なんて思ってしまう
秋の国…いいなぁ~…
「あーもう!静かにしてくれ!」
俺はセプ、13歳
俺が住んでいるとこは、皆で協力する秋の国、フオル
協力すれば、木のみもたくさん取れるし、寂しくはないが…
逆にみんな、うるさすぎるんだよな
俺は一人で本を読みたいのに、みーんな俺にかまってくる
もっと静かに過ごせればどれだけいいことか…
…冬の国が羨ましいな
「ごめんなさい…イノシシさん…今すぐ逃してあげる…」
私はディセ、14歳
私は冷酷で自分勝手な冬の国、ウィタに住んでいる
ここではわずかな食料を自分のためだけに探さなくちゃいけないの
誰かから盗んだり、殺したり…
みんな平気でやっているけど、私は可哀想過ぎて無理
だからもっとみんなで優しく支え合いたいの
それには、春の国がピッタリね…住んでみたいわ
皆が自分の良さに気づかないで他を羨ましがる…
そう、私もあなたも…