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7 飴宮 苺
さて、|馬鹿《暖》もなんとかしたし、仕事終わったから帰るか。
ちなみに語りは引き続き|飴宮《あめみや》 |苺《いちご》がお送りします。
あたしは訳あって弟と2人で暮らしてて、その生活費を稼ぐためにここで働き始めた。
親?はうちが11歳の時に「会えなくなった」らしい。
毎月、口座にまとまったお金が入っているけれど、だんだんあたしらが大きくなってきて足りなくなったから、思い切って、高校には行かないで働くことを決心した。
けど……やっぱ中卒を雇ってくれるとこは少なくて。
やっとの思いで見つけた唯一の希望が、殺しの証拠隠滅――。
……なんて、あたしの純粋で怖がりな可愛い弟に言えるわけなかった。
飴宮「ただいま~」
|碧斗《あおと》「あ!姉ちゃんおかえり!」
飴宮「碧斗、いい子にしてた?」
碧斗「うん!姉ちゃん褒めて!」
飴宮「わかったわかった。よしよ~し」
この子が弟・飴宮 碧斗。
親と別で暮らすなんて壮絶な幼少期を過ごしているにしては純粋すぎてもはや怖い。
11なのにまだ子供がコウノトリに運ばれてくるって信じてるレベルの純粋さ。さすがに「ママのお腹から出てくる」くらいは知っててほしい。理科とか保健体育の授業でそれを知る時の顔が見たいとすら思う。
ちなみにサンタさんのことは存在自体あまり覚えてないらしい。
あたしは、中卒で職を探すっていうあまり経験しないことを経験した。どれだけそれが厳しい道かってことも。
でもあたしがその道を自分で選んだのは、碧斗をちゃんと学校に通わせるため。碧斗に子供のうちから職探しをさせないため。
さすがに今のレベルだと逆に危険だけど、まだこの子には純粋でいてほしい。
あたしが、この子を、碧斗を、守らなきゃいけない。
書いてるとキャラが変わることってありますよね。
この子とか、最初の設定でこんなに弟想いなお姉ちゃんじゃなかったはず……?
次回でキャラ紹介メインゾーンは終了します。焼肉でも行かせようかな。