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最後の戦い
主人公:工藤 蓮(クドウ レン)
敵:ワイバーン
キーン ジジジジ
あたり一面に鳴り響く刀の音。その音とともに火花も散る。
「てめぇもちっとはうまくなったんじゃねぇか?」
「うっせーだまれ」
―3年前ー
ここは”弱肉強食”の世界だった。人間とモンスターが共存する場所。
そのため、常に人間は死と隣り合わせだった。
俺は当時10歳だった。この世界は10歳になれば最強か最弱かが決まる。
しかし、最弱なのはたったの5人しかいない。
それは、俺も含まれる、5人だった。
「え・・・」
始め俺は受け入れることができなかった。間違いだと思った。
しかし何度聞いても”最弱”だといわれた。周りからは
「もう生きていけないんじゃない?」
と言われた。だが、俺の祖父は言ってくれた。
「強くなるのならば、修行をせねばな。」
嫌だった。だが、弱肉強食の世界で生きるにはこの方法しかなかった。
「やってやるよ」
俺は修行のたびに出た。ふつうは、弱いモンスターからだんだん強くする。
だが、俺は迷わず世界一最強なモンスターと戦うことにした。
世界一最強なモンスター「ワイバーン」と。
ワイバーンは大きな翼をもち鋭い爪が特徴の青いドラゴンだ。
遭遇率はわずか10%だ。冬にしか見れなく、常に氷の上にいるいまだ不明な生き物だ。
「やい、ワイバーンでてこい!」
そんなことを言っても出てくるわけがない。
俺は休まず毎日同じ時間に呼んでいた。
1か月がたったある日、ようやく現れた。
「なんだようるせーガキよ」
あまりにも大きすぎてびっくりした。
「し、勝負だ!」
「いやいや無理だろ。」
「いい!それでもかまわない!」
そうして俺たちは勝負をした。しかし、案の定俺が負けた。
「テメ―に次はないかんな」
俺は死なずに済んだ。だが悔しかった。
だから、俺はワイバーンに勝つため修行に精いっぱい励んだ。
ーそうして3年後ー
最弱から、人類一最強となった。
だからまた、俺はワイバーンに戦いを挑んだ。
ワイバーンのうろこが固すぎて、刀が刃こぼれしている。
だが、俺は気にしない。
キーン!!ズバッ ブシャッ!!!
周りにワイバーンの赤黒い血が散った。
「ヴっ」
ワイバーンの右羽が切れ、落ちた。それと同時に、ワイバーンの爪が俺の太ももを突き刺した。
「ぐはっ!」
ずきずきとする痛みとともに押し寄せてくる涙。
こう見えて、俺はまだ13歳。痛みには慣れない。
俺とワイバーンは弱っていた。
「ふらっ」
俺は今にも倒れそうだった。しかし、ワイバーンを倒そうと必死に刀を握りしめ、弱点の心臓に向かって力いっぱいさす。
「ぐぉぉぉぉ」
ワイバーンは弱っていたため抵抗できなかったので大人しく殺された。
ー数か月後ー
俺は近くにいた人によって一命を取り留めることができた。近くの人によれば、目の焦点も定まっておらず、太ももからたくさんの血が流れていたそうだ。
俺がワイバーンを倒したおかげで、この世界は弱肉強食ではなくなった。
そうして俺は、世界の勇者となった。