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第12話:反逆の誓い
ファントムからの非道な「最後の命令」は、彼ら4人の怒りを頂点にまで高めた。しかし、それは同時に、彼らの絆をこれまで以上に強固なものにした。
「奴の狙いは、私たちを仲間割れさせて自滅させること。そして、私たちが持つ唯一のルール、『仲間は傷つけない』を破らせること」
玲華が冷静に状況を整理する。
「絶対に奴の思い通りにはならない」
「私たちに残された道は一つ。ファントムを倒し、真の自由を勝ち取ること」
白藍が、静かな決意を込めて言う。
「もう、偽りの楽園に囚われる必要はない。私たちが作る、本当の居場所を求めて戦うんだ」
仄は、スティレットを握りしめる。
「怖くない。みんなと一緒なら、どんな困難だって乗り越えられる」
雷牙は、捕らえた工作員から聞き出した情報を元に、ファントムの本拠地の場所を特定した。そこは、最初の「楽園」があった洋館とは別の、厳重に警備された地下施設だった。
「ここが、奴の実験施設だ」
雷牙が地図を広げる。
「おそらく、記憶操作の技術もここで開発されている」
4人は、本拠地へと向かう準備を始めた。それぞれの武器を手に取り、10年の経験で培った技術と、仲間への深い絆を胸に、最後の戦いに挑む決意をした。
「私たちの戦いは、単なる裏切り者の排除じゃない」
白藍が言う。
「人間性を取り戻し、真の自由を求める戦いだ」
「きっと愛してくれる人は見かけによらぬもの。私たちは、お互いを見つけられた」
仄が、白藍に微笑みかける。
「それが、私たちにとっての本当の幸せ」
雷牙と玲華も、頷き合った。彼らは、血の繋がりのない家族だったが、その絆は誰よりも深かった。
「行くか」雷牙が先頭に立ち、扉を開ける。
「偽りの楽園を終わらせるために」
4人は、ファントムの本拠地へと向かった。彼らの目には、恐怖ではなく、未来への希望の光が宿っていた。長年の支配から解放され、真の自由と希望を求めて戦う彼らの姿は、まさに再生と絆の物語の始まりだった。
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