成績という呪い

20XX年4月 念願の進学校。 俺の地元中学校なんかよりも頭がいい。 そして、市内だから近い。 俺はここで周りよりも成績を上げるんだ。 --- 20XX年5月 初めての中間テスト。 あまり良い結果とまではいかなかったけど、平均を超えられた。 しかし、英語の平均点が90点なんて、やっぱり頭がいい学校だな。 来てよかった。 --- 20XX年10月 合唱コンクールに対するやる気が見れない。 でも、それは俺の見方が良くないだけだ。 しっかり周りをみて、周りに合わせないとな。 中間の成績も良くなかったし…。 --- 20XX年12月 成績復活!! 頑張ったかいがあったな。 頑張れば成績が上がる。 やっぱり楽しいな。 --- 20XX年3月 期末の成績最悪。 ものすごく怒られた。 勉強ができないから仕方がない。 勉強ができないならあの学校にいられない。 --- 20XX年4月 頑張ったらスマホを買ってもらえるって。 成績を上げないと、いけないな。 頭が悪い俺の責任なんだから。 みんな、大学に向けて学んでるから。 --- 20XX年7月 みんなから避けられる。 俺なんかした? 母に相談しても、「その子達より成績が良くなれば」って。 そうだよね。そいつ等よりも成績が良くならないと。 --- 20XX年12月 成績が戻ってきたぞ。 悪いと、大切なもの、捨てられるから。 でも良ければそんなことないもんね。 俺が頑張ればいいことだ。 --- 20XX年3月 また下がってきた。 間違えたらだめなのに。 間違えたら生きている価値なんてないのに。 俺は出来損ないなんだ。 --- 20XX年4月 学校が始まる。 授業が進む。 テストが近づく。 あれ?怒りが抑えられない。 --- 20XX年7月 スマホゲット。 ネットの世界のみんなしか俺をわかってくれない。 わかるのに解けない（書けない）問題も間違えることの恐怖も すべて拭い取ってくれる。 --- 20XX年10月 成績最悪。 今までよりもやっていたのに。 なんで？なんでなんでなんで? 誰も解決してくれない。 --- 20XX年12月 学校が怖い。 テストへのカウントダウンが怖い。 親からの評価が怖い。 もう学校に行けない。 --- 20XX年2月 学校から逃げ出した。 解決しようとしてくれても、理解ができてない。 こんな世界もう嫌だ。 死ぬために逃げよう。 --- 20XX年3月 同じメンツで高校か。 自分のレベルが分かっていて、努力も報われなくて。 いきたくないよ。 でも、いかないと好きなこと、目標を叶える準備さえさせてもらえない --- 20XX年4月 いよいよ高校生。 無駄な時間を勉強に費やさないと、生きていけない。 そんな高校だ。 将来のために、俺はすべてを勉強に費やさないと。 --- 20XX年12月 最近寝ていないから眠いな。 でも、勉強ができなければ俺に生きる意味はない。 勉強だけが、存在を証明してくれる。 でも、いつまで繰り返す? --- 20XX年4月 大学受験が来年に迫る。 みんなも頑張ってる。 俺だけ取り残されている。 もっとやラナイと --- 20XX年7月 幻覚が見える。幻聴が聞こえる。 やっぱり、俺に生きている意味はなかった。 それなら、もう死んでしまおう。 そうすれば、全て解決。 昨夜、〇〇県で、□□□□さん（17歳）が自殺しました。 「勉強ができない＝生きる価値なし」 そんな高校生活まであと34日