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番外編 『キス』
過去一長くなってしまいました。
⚠️BL要素あります。
苦手な方はここでお戻りください。
--- GUILD side ---
【ギルド・ガリレアン】
「‥」
目が覚めた場所は、真っ暗な部屋。
牢屋のベットの上ではない場所だった。
あぁ、夢だ。
そう認識するのに時間はかからなかった。
何もない、何も見えない部屋でただ一人。
現実の自分が目覚めるのを待っていた。
暇だ。
いつ現実の自分が目覚めるかわからない。
ここでエマやコニーと話していたい。
‥コニーと、ずっと。
【???・????】
「‥ギル。」
【ギルド・ガリレアン】
「!その声‥コニー、か?」
【コニー・ジェント ?】
「そうだよ、コニーだよ。」
目の前に来たのはコニーだった。
‥いや、コニーがここにいるわけがない。
きっと自分がコニーの事を考えたから。
だからここにコニーが来たんだ。
【ギルド・ガリレアン】
「‥なぁ、コニー。これは夢か?」
【コニー・ジェント ?】
「‥さぁ、ギルがそう思うならそうなんしゃないのかな?」
そう言い、コニーは俺の頬に手を当てる。
優しく、俺の頬を撫でていた。
【ギルド・ガリレアン】
「‥お前は、本物のコニーか?」
【コニー・ジェント ?】
「ギルは、どう思うの?」
【ギルド・ガリレアン】
「さぁ‥夢なんじゃないのか。」
【コニー・ジェント ?】
「じゃあ夢だ。」
コニーは俺の意見がそのままだと言う。
それがこれを夢だと認識させてくる。
現実のコニーなら、ちゃんと否定肯定をする。
‥夢なら、どうなっても現実に影響しない。
一度言おうと決めてしまったものはもう、止められなかった。
閉じた口がまた開く。
【ギルド・ガリレアン】
「‥コニーに、言いたい事があるんだ。」
【コニー・ジェント ?】
「なぁに?ギル?」
【ギルド・ガリレアン】
「俺、お前の事が好きなんだ。」
【コニー・ジェント ?】
「‥そう ニコッ 」
俺と目を合わせてコニーは微笑む。
今の体制はどうかしている。
俺が仰向けに寝て、コニーが俺に跨っている。
そしてコニーの左腕が俺の頬を撫でる。
これは現実ではありえない事。
俺は就寝時間に寝たはず。
今はきっと、牢屋のベットの上にいる。
分かっているのに目覚めようとは思わない。
【コニー・ジェント ?】
「‥ギルの好きは、どう言う好き?」
初めて、コニーが自分から口を開いた。
【ギルド・ガリレアン】
「‥恋愛対象としての好きだ。」
【コニー・ジェント ?】
「キスとか出来るの?」
【ギルド・ガリレアン】
「‥あぁ、しようと思えばな。」
【コニー・ジェント ?】
「本当に、君は僕の事が好きなんだね。」
【ギルド・ガリレアン】
「‥そうだよ。」
叶うわけのない恋。
そこまで馬鹿じゃないから分かっている。
コニーはエマが好きだ。
見てれば分かる事に、気付かない振りをする。
気づけば終わってしまうから。
【ギルド・ガリレアン】
「‥なぁ、コニー。」
ずっと頬に添えられてた手を握り、もう片方の手でコニーの頬を撫でる。
【ギルド・ガリレアン】
「お前は俺のことが好きか?」
返ってくる言葉を知っている。
想像出来るのに、聞いてしまう。
【コニー・ジェント ?】
「‥ ニコッ 」
ただ、目の前のコニーは微笑むだけだった。
【ギルド・ガリレアン】
「‥なぁ、もう目覚めていいか。」
【コニー・ジェント ?】
「‥ギルが目覚めたいならいいんじゃないかな?」
【ギルド・ガリレアン】
「‥」
【コニー・ジェント ?】
「‥ギルは、僕の事が好きなんだよね?」
【ギルド・ガリレアン】
「‥あぁ。」
【コニー・ジェント ?】
「それなら、僕の事忘れないでね。」
【ギルド・ガリレアン】
「‥は?」
【コニー・ジェント ?】
「何があっても、僕を好きでいてね。」
【ギルド・ガリレアン】
「‥」
そう、眉を下げて寂しそうに言った。
俺はそれ以上先に踏み切る勇気はなかった。
踏み入ってはいけないと言われているような、そんな感じがした。
【ギルド・ガリレアン】
「‥忘れねぇよ。」
【コニー・ジェント ?】
「‥そう、なら良かった ニコッ 」
また、優しく微笑んだ。
その笑顔に見惚れていたら、
グイッ
突然、コニーが俺の服を掴んだ。
それこそ、服が伸びそうなくらい力強く。
【コニー・ジェント ?】
「それなら、僕と一緒に地獄へ落ちてね。」
【ギルド・ガリレアン】
「は‥」
【コニー・ジェント ?】
「一生僕を好きでいて、一生苦しんで。」
「一生、僕との約束を守って。」
【ギルド・ガリレアン】
「‥約束‥?」
他にも気になる言葉はあった。
だけど、約束だけが引っかかったんだ。
【コニー・ジェント ?】
「‥今はまだ、分からないか。」
【ギルド・ガリレアン】
「んだよそれ‥」
【コニー・ジェント ?】
「‥それは、いいんだ。いずれ分かる。」
【ギルド・ガリレアン】
「‥」
【コニー・ジェント ?】
「‥最後。これだけは守って欲しい。」
「僕の事好きなら、守ってくれるよね、?」
【ギルド・ガリレアン】
「‥内容による。」
【コニー・ジェント ?】
「‥そっか。なら‥」
【コニー・ジェント】
「僕のこと、嫌いにならないでね。」
一粒の涙が、俺の頬に触れた。
---
【ギルド・ガリレアン】
「ん‥」
目が覚めた。
目覚めは最悪‥と言い切れなかった。
【コニー・ジェント】
「ギル!大丈夫?」
【ギルド・ガリレアン】
「‥」
コニーの顔がすぐそこにあった。
【コニー・ジェント】
「まだ何処かおかしい?今看守呼んで___」
チュ‥
小さなリップ音だけが室内に響いた。
あ、やっちまったな、と。
そう思いながらも抵抗されなかった。
あれ、もしや可能性ある?
とかなんとか考えていた。
だが‥
【コニー・ジェント】
「な‥なにしてんの!?」
すぐ突き飛ばされた。
そんでベットの縁に頭ぶつけた。
【ギルド・ガリレアン】
「いってぇ‥」
【コニー・ジェント】
「あぁえっと‥ごめん?」
【ギルド・ガリレアン】
「別に‥つか、何驚いてんだよ。」
【コニー・ジェント】
「だっ、誰だって急にキ、キスされたら驚くでしょ!?」
【ギルド・ガリレアン】
「キス?‥あぁ、寝ぼけてて何にも覚えてねーや。」
嘘だ。めちゃめちゃ覚えてる。
だけどここで正直に言ったら殺される。
【コニー・ジェント】
「寝ぼっ!?‥最っ悪‥ファーストキスだったのに‥ ボソッ 」
そういい口元を服の袖で拭うコニー。
【ギルド・ガリレアン】
「‥しーらね。」
【コニー・ジェント】
「なにその態度 イラァ ‥えいっ」
【ギルド・ガリレアン】
「いって!?」
勢いよく頭にチョップされた。かなり痛い。
【ギルド・ガリレアン】
「何すんだよ馬鹿コニー!?」
【コニー・ジェント】
「馬鹿はそっち!!看守呼んでくるから!」
--- ガチャ‥バタン! ---
【ギルド・ガリレアン】
「‥はぁぁぁぁ‥やったな、俺。」
完全に嫌われた。
恋愛対象として見られてない奴にファーストキス奪われるとか最悪すぎるだろ‥
‥だけど、
【ギルド・ガリレアン】
「唇、柔らかかった‥」
思い出した瞬間、顔が熱くなるのを感じた。
こりゃ駄目だな俺。
アイツの事、諦められそうにない。
一応ギルコニギル、どちらとも捉えられる小説になっている‥はずです。
→コニーはエマが好きなのでギルドに恋愛の矢印が振り向くことはないんですよね。
それが分かってるのにコニーの事を嫌いになれないギルドが苦しい(?
夢の中、一ヶ所だけ【コニー・ジェント ?】じゃなく【コニー・ジェント】の場所があります。
嘘じゃない現実コニーの気持ちですね。
またどこかの番外編で「コニーがエマじゃなくギルドが好きだった世界線」を書いてみたいです。捕まらなかった世界線も。