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双黒一家 年越し!
少々遅くなってしまいましたが、年越しです!
年越し蕎麦って年を越す時と大晦日の夕食、どちらに食べるんですかね…?
ちなみにうちは夕食に食べてます。
太宰side.
今日は大晦日。別に普段と変わらない休日だと思うのだけれど、中也の提案(命令)によって大掃除をすることになった。面倒だなぁ〜…
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「ぁ゙〜…」
「ほら、とっとと終わせ。次の仕事はいくらでもあるぜ?」
「ちゅやさん!これ、どこにおく〜?」
「ああ、それ…って、まだこんなのあったのか。」
「ん〜?どれどれ、あ!懐かしいねえ!」
《龍頭抗争》の時に使ったスノードーム。
まだ捨ててなかったんだ…
「なあ、要るか?これ。」
「折角中也が解いてくれた謎、要らないわけなくない?」
「…それもそうだな。」
「じゃ、寝室の棚に置いとこ!」
「分かった。」
懐かしい品々と思い出を二人で思い出して笑い合う大掃除、案外悪くないかも…。
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「やっとおわった〜!」
「お疲れ。ほら、これ飲め。」
「これ…蜂蜜と檸檬?」
「梶井から檸檬が届いてな。あったまるだろ?」
「おいしい…!」
「ははっ、だろ?初めてにしては上出来だな。」
「そういえば、蕎麦は何時食べる?」
「二人が寝る前がいいから、晩飯で食っちまおうかと思ってる。」
「そうしよっか。」
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蕎麦を食べて、お風呂にも入って、準備は万端。
「今年の紅白は満場一致で紅組の勝利だねぇ。」
「ここまで差、付くんだな。」
「…TV変えていい?」
「その前に子供達寝かせて来ようぜ。」
「ふふ、可愛い。このまま眺めてたい。」
「風邪引かせちまうぞ。」
「…分かった。」
ぐっすり眠る二人を寝室まで運ぶ。炬燵の外寒…
「中也が日本酒?珍しいね。」
「正月には葡萄酒より日本酒の方が合う。
…あと、手前ェが好きだろ?(超絶小声、早口)」
「あ、後5分。」
「時間の流れって速いよな〜。」
「本当。…中也、今年もありがと。」
「こっちこそ、太宰。…否、治。」
「…はい待ち給え、一寸待ち給え。」
「っるせ!何だ太宰?」
「中也ってば非道い…。」
「あ、残り1分切ったぞ!」
30、…20、…10、
「9、8、なnっ…んぅ、!」
5、4、3、2、1。静かに、唇が離される。
「…Happy New Year、中也。初キスありがと。」
「今年もよろしく、な。」
「…今年、だけかい?」
「なッ…
これからもずっと、よろしくな。」
「こちらこそよろしく。」
「…眠い。寝る。」
「えっ?まだまだお子様だねぇ。」
「…手前ェが普段から掃除しないせいで大掃除大変だったんだよ…」
「…(*ノω・*)テヘ!」
「…明日、覚えとけよ…!」
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「…で、どうして袴なのだい?」
「姐さんからだ。俺達分の袴、似合いそうなのを見繕って頂いたんだよ。」
「…あるきづらいねぇ。」
「それが、和装の良さでもあるんだぞ。」
「…ちょっとぐるじい…」
「帯しめるなんて事、滅多に無いからね。
大丈夫、そのうち慣れるものだよ。」
「おし、初詣行くか!」
「この格好で!?」
「折角着付けたのに勿体無いだろ?」
「…分かった。」
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ものすごく視線感じる…
何で中也はあんなに堂々としてられるんだろ?
「ほら、行くぞ。」
片腕で敦君を抱えながら、空いている手で私の腕を掴んだ中也。こんなにかっこよかったっけ…?
その手を解こうとも思えず、龍之介君を抱え直して引かれるままに境内を歩く。
「中也は何で堂々としてられるの?」
「なんでもなにも、別に悪い事してるわけでも無いだろ?」
かっこいい。今、間違いなく中也に惚れ直した。
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「やっぱ中也って料理上手いよね。」
「散々俺の飯食っといて今更か?」
「お節、ここまで本格的に作れるのマフィアでも中也と姐さん位だと思う。」
「…変な物でも食ったか?」
なんか素直になっちゃう…。
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太宰が中也に惚れ直した頃、中也もまた太宰に惚れ直していた。
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中也side.
大掃除をしていた時、スノードームを見つけた。
正確に言うと見つけたのは敦だが…。
唯の小道具だったし、俺も割り切って捨てるべきだと思ったが、一応太宰に聞いてみた。
「なあ、要るか?これ。」
「折角中也が解いてくれた謎、要らないわけなくない?」
…は?要らないって言うんじゃないのか?おまけに「要らないわけなくない?」なんて、どんだけ大事なんだよ…
俺って、ちゃんと彼奴から想ってもらってたんだな…。
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新年早々惚れ直し合う、似た者同士の恋愛物語はまだまだ始まったばかり。
スノードームの話、詳しくは「文スト迷ヰ犬」のDeadApple前日譚をご覧下さい。