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#3
カラは薄く光が差した寝室で、目をぱっちり開いていた。
至近距離に、アイボリーの艶のある髪が見える__いわずもがな、ツキのものである。
そして体に細長い腕が絡みついていて、起き上がれない。
結局、全然寝れなかった。
けれど今思えば、こんな奇行にも一応、理由はあったのだ__カラを近くに置いておくことで、護ろうとした。
……いや、やっぱり、そんなものは都合のいい妄想かもしれないが。
ツキはまだ呑気に眠っている。カラは起きるために、そうっとツキの腕を解く。
「んにゃ……あとセブン……」
「それを英語で言う人って初めて見ました……」
むにゃむにゃと寝言を零すツキに呆れた声を落とすと、
「はよ、カラ」
唐突に、背後からカラに声がかけられた。
「ひゃっ! ……お、おはようございます」
「無駄に可愛い悲鳴あげんな。ツキが起きんだろ」
相変わらず棘のある声に、カラは「すみません」と呟いて、寝室を出__ようとして、ヒナの声に止められた。
「おい、どこ行くんだよ?」
「あ、えっと、洗い物が溜まっていたので……」
振り向いたカラがそう言うと、ヒナは怪訝そうに眉根を寄せた。
「あぁ? なんで把握してんの……つか、お前がそれやる必要なくね?」
「いえ、家に置かせてもらってる以上、家事くらいはしないとですし」
ヒナはまだ不満そうだったが、「……そうかよ」と言って再びベッドに寝転がった。
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「おはよう、カラちゃん」
やがて、ツキが起きてきた。
「お、おはようございます」
「うん、おはよう~。……あれ、何、お皿洗ってくれてるの?」
ツキはまだとろんとしていた目をこすり、意外そうな声を上げた。
「はい。……あっ、ヒナさんから許可はもらってます!」
「そんなのいいのに。助かるけど、もうちょっと肩の力抜いてほしいな~」
「お前は抜きすぎだ」
またもやヒナが突然声をかけてきて、カラはスポンジを落としかける。
「あははっ、ヒナってビジュアルの割に気配薄いんだよねぇ」
ツキの笑い声に、ヒナがひと睨みしてからカラのほうを向いて
「でもま、お前は確かに気負いすぎだよ。もうちょい気ィ抜け、疲れんだろ」
と言った。
それに対してカラは微かに笑み、手は止めないままこう返す。
「そんなこと、全然ないですよ」