公開中
死にたがり5
死ね、という言葉は私が人生で一番聞いた言葉だろう。
親から最後に名前を呼ばれたのは弟が生まれる前の四歳ぐらいのときだった。
弟は男の子なのに私より可愛くて父も母も弟にメロメロで私なんか見向きもされなくなった
「おい」と呼ばれたので行くと持っていたタバコを腕に押し付けてきた
「あっつい!」
と最初はあまりの熱さに涙を流した
でもいまは慣れてまたか、、とやられてから腕をさするぐらいになった
弟はちやほやされて私は腕にタバコを押し付けられたり殴られたりするだけ
もうこんな家いるぐらいなら死んだほうがマシ
11歳の誕生日におばあちゃんから買ってもらったスマートフォンの電源をつける
最近よくやっているTwitterを開くとおすすめに匿名というひとの投稿が流れてきた。
「一緒に死んでくれる人募集中。渋谷です。死んでくれる人はDMください。場所と時間送ります」
こんな夜の末みたいな投稿、普通だったら目にも留まらないのだろうな。
でも今の私にはぴったりの投稿だった。
病み垢友達との連絡が多いDMにはじめて友達ではない人とのDMが加わった
「よろしくお願いします、」
一言だけ送った
病み垢友達とのDMを楽しんでいると返信が来た
「渋谷マンション 222−222 時間 明日 23時 できるだけ見つからないように来てください」
現在地から指定された場所の距離を調べると徒歩13分ほどでつくところだった。
ようやく開放されるという喜びにひたるまもなくいつもの呼び出しがきた
いつもより軽やかな足取りで向かった