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つばさトーク
「私、妊娠したんだ…」
「っあっははは!」
「……嘘だってわかってるのに笑わないでよ」
「いや、だって。ふふっ。エイプリルフール
ですけど、っふふ。羽川先輩がっ。ははっ。
に、妊娠って。ありえないでしょ。あははは」
「笑いすぎでしょ…そんなに笑う?」
「相手獲られてるのに、どうやって妊娠するんですかね?ふ、ふふっ」
「うるさい」
「大体羽川先輩、いきなりそんな分かりやすい
嘘ついて、どうしたんですか?大方負けた奴が私に嘘をつこうとか、そんな感じのじゃんけんに見事負けたとかでしょうが」
「残念だけどちょっと違うんだよね。自分の
嫌いな人に分かり易すぎる嘘をつく」
「どんな話をしたらそういうじゃんけんをする流れになるのか知りませんけど、もっと面白い嘘ついて下さいよ 」
「さっきあんなに笑ってたでしょ?」
「あれは嘘が面白かったわけでは無いです。
相手を戦場ヶ原先輩に獲られている羽川先輩が
言ったという事に笑ったんです」
「酷いこと言うよね…さっきから思ってた
けど、獲られたわけじゃないから!ひたぎ
ちゃんは、ちゃんと告白して返事をもらってるから!私が早く告白しなかったから、先に
付き合っちゃったってだけだから!獲ったとか言わないで」
「でも実は、自分の気持ちに気づかない鈍感な阿良々木先輩にムカついたでしょう?」
「ムカつい…てないってば!」
「だったらひっかからず言えるでしょう?
やっぱりあなた、まだ未練タラタラじゃない
ですか。タラタラしてんじゃねーよ」
「それちょっと辛い味付けの駄菓子の名前
でしょ?しかもあの名前の意味って、早くしろって言う意味じゃない。あと先輩に向かって
タメ口言うな、そして未練タラタラも言うな」
「じゃあもし阿良々木先輩が、戦場ヶ原先輩と
別れたら、アタックしないんですか?」
「う、う〜ん……」
「悩むってことはそういう事ですよねぇ」
「うっ。で、でもいつか阿良々木君よりもいい人見つけるから!」
「はっはー。あなたにそれはきっと無理
でしょうね。ゴールデンウィークの時も、
二度目の障り猫発現の時も。戦場ヶ原先輩の家が焼き払われそうになった時だって。あなたを助けた人は、阿良々木暦、その人に他ならないのですから。実に滑稽な話です。口では何と
言っても、阿良々木先輩が、もし戦場ヶ原先輩と結婚しても、あなたは絶対に、阿良々木先輩を諦めることはない」
「うぐぁっ…!傷を深掘りして抉るのをやめてくださいっ……!あ、あなたにはそういう
好きな人っていないの?」
「私ですか?いやぁいるっちゃいますけどぉ、私の場合だとなぁ、いませんねぇ」
「いるのかいないのかはっきりしなさいよ」
「いません!」
「思いっきり言うじゃない」
「さて、羽川先輩が妊娠したと阿良々木先輩にメールでも送りましょうかね」
「えっ!?ちょ、ちょっと待ってやめて!?」
「ぽちぽちっとね」
「おわわわわ…」
「送信っとな」
「はわわわ…!なんて子なを!」
「慌てすぎでしょう、それだと、
なんて子なの、と、なんてことを、の二つに
読み取れちゃいますよ」
「失礼、噛みました」
「違うでしょう。あなたの事なんだから、
わざと噛んだ以外にありませんよ」
「合わせてくれてもいいじゃない」
「嫌いなやつに合わせるほど、私も寛容な御心の持ち主ではないのです」
「はっきりと私を嫌いだと言いやがった!」
「羽川おっぱい、実は嘘をついたんです」
「羽川おっぱいって言うな。え?嘘?」
「はい。羽川先輩とのくだらねー会話の途中で嘘吐きました。当ててみて下さい。賞品は
ありません」
「ないんだったらやらないわよ、なんで無償で
あなたの嘘を見破らなきゃいけないの?あと
くだらねー会話とか言わない」
「まぁまぁ。一種のミニゲームみたいなもの
ですから。それともなんですか?思い返して
みても、全くもって分かりそうにないから、
手を上げて降参の合図ですか?流石の羽川先輩もこれには降参かぁ、残念だなーー」
「あなたに言われると安い挑発すらも
ムカつく!分かったわ。やってやりましょう」
「安い挑発に、完全にノリノリで乗ってる
じゃないですか」
「うるさい。あなたに言われるとすごーく腹が立つのよ。なんででしょうね」
「運命…かもしれませんね」
「やめてよその乙女ゲーみたいな台詞!
はーあ、阿良々木君が言ってくれたら、
よかったのになぁ」
「やっぱり未練しかないじゃないですかこの
おっぱい。栄養が全部胸にいってるんじゃない
ですか?」
「分かった。この際私には阿良々木君に未練が
あると認めましょう」
「えー、認めちゃうのかー、羽川おっぱいの
後輩としては、ちょっと幻滅しちゃうなー」
「あなたがただの一度たりとも私の事を先輩として接したことがある?!」
「ありません!」
「はっきり言うな!ちゃんと先輩に対して敬意を表しなさい!」
「嫌です。羽川先輩が羽川おっぱいである限りは絶対に敬いません」
「私は羽川おっぱいじゃない!」
「さっきから怒鳴らないでくださいよ煩いな。後輩の可愛らしいちょっかいにも耐えられず
怒鳴っちゃうから、阿良々木先輩と
付き合えなかったんでしょ」
「違うから!多分…。あとあなたのちょっかいが可愛らしかったことなんてなかったでしょ」
「そうですかねぇ。あ。阿良々木先輩から返信が〜。…ははっ。羽川先輩、阿良々木先輩から本当に崇拝されてらっしゃるんですね。本当、この巨乳はどうしようもないですね。あはは」
「ちょ、笑い方が怖いのよ…。な、なんて書いてあったのよ?」
「え〜?教えてほしいですかぁ?」
「ニヤニヤするな。…教えてほしい」
「どぉしよっかなぁ?羽川先輩、私にお願い、
して下さいよ。あなたが、嫌い合っている後輩に向かって、惨めったらしく頭を下げて
頼み込むと言うのであれば、今回はそれで手を引いてあげて、教えて差し上げましょう」
「うぐぐぐぐ……」
「さぁ、どうします?」
書きたいところだけを煮詰めた結果、
羽川先輩がとんでもなく弱くなってしまった。
羽川先輩の扇ちゃんに対する態度を改め直して
悪くしなければなりませんね。
次はいつもの扇神コンビです。
扇と撫子のコンビは割と好きなのでいつかまた書きたいですね。羽川先輩は暫くお預けです。
エイプリルフールは、何日かあってもいいと
思うんですよねー。