公開中
消えた声-6
ついに6話です。
今回は復讐の第一歩として、あかさたなカフェで打合せですね。
放課後、約束通り私はあかさたなカフェへ向かった。
すでに凛が到着しているのが見えた。
待たせたかもしれない。早く行かなければ。そう思って、急いで走り出すと、あともう少しのところで滑って転んでしまった。
私は運動神経がとてつもなく悪いということを忘れていた...。
そして転んで立ち上がろうとしている私を見つけた凛は、ドアを開けてこう言った。
「あ、羅奈さん。じゃあ行きましょうか。」
「あ、うん.....」
転んだことに対して何かコメントしてくれないと、逆に気まずい。
そう思いながら私はカフェに入った。
カフェはとても落ち着いた雰囲気で、コーヒーのいい香りがした。
私たちは適当にドリンクを頼み、作戦会議を開始した。
「基本的には、やられたことをやり返す、というだけですが、どうせなら追加で何かしますか?」
「え?ま、まぁどうせなら...ね」
「おっけーです。今までにやられたことにプラスで、便器の水の中に顔をしずめたりとかを適当にやる方針で行きましょう。」
さすがにやりすぎではないか、と不安に思った私は、凛に言ってみることにした。
「あの...さすがにそれはやりすぎじゃない?」
すると、凛は真顔でこう言った。
「何言ってるんですか。これくらいやらないと彼女たちは反省しませんよ。それとも、羅奈さんは自分をいじめた人に同情するっていうんですか?」
「あ、いや、そういうわけじゃ...」
「それならいいですね。で、誰から復讐しますか?まずは一番弱い奴にしましょう」
...流されてしまった。
でも、凛が言う事はどれも正論だし、まぁいいか。
すると、店員さんがドリンクを持ってきてくれた。
「こちら、ストロベリーフラペチーノとアイスミルクとなります」
「 「ありがとうございます」 」
「...アイスミルクを頼んだんですね。好きなんですか?ミルク」
「あ、いや、コーヒー飲めなくて。」
そう言うと、凛は笑いながらこう言った。
「ははは、意外に子供っぽいところもあるんですね」
凛の笑い方は、真衣達とは違う、汚れていない笑い方だった。
私も凛につられて笑った。
こんな風に、他愛のない会話を誰かとするのはいつぶりだろう。
凛と笑い合った、たったそれだけなのに、白黒だった世界に、少しだけ色彩が戻ってきたような感じがする。
そして1時間ほど雑談をしたり作戦会議をしたりして、私たちは帰ることにした。
「じゃあ、また明日。」
「はい、明日の朝が楽しみです」
そして私たちは解散した。
話し合いの結果、明日は一番弱そうな、百合野しおりさんに復讐することにした。
明日が楽しみだ、そう思い、呑気に鼻歌を歌いながら家に帰った。
ちょっと今回は、真衣との戦いを期待していた方にとってはイマイチだったかもしれません。
6話は貴重なほんぼの回となりましたね。
でももうほのぼの回はおそらく二度とないので安心してください。
そして、百合野しおりさんって誰!?って思ったと思いますが、まぁ、次回でその百合野さんがボコボコにされるので楽しみにしててください。