公開中
大嫌い=I Love youなめんどくさいやつら。
大嫌い=I Love you
なキラマダです。
**大嫌い=I Love youなめんどくさいやつら。**
「お前なんか大っ嫌いだ!!」
「オレもだ快楽殺人鬼!」
ぎゃあぎゃあと言い争う両者。二重丸のソウルを持つ方がキラー。フードを深く被り、赤いスカーフを巻いた方がマーダーである。どちらも自分のAU(世界)で虐殺を行い、LOVEを手にした。___一つ違うとすれば、それが自分のためか、周りのためかであるが___そんな似たもの同士の二人は、似ているが故か、よく喧嘩をする。
さて、前置きが長くなったが…オレはクロス。そんな騒がしい二人(骨)や、常時空腹な骨、触手の生えた骨や、グリッチを纏った骨などと一緒に、行動を共にしている。まとめて、闇AUなどと呼ばれることが多いな。
そんなオレの苦悩を少し聞いてくれ。
先ほど言った通り、キラーとマーダーは非常に仲が悪い。会えば喧嘩、喋れば喧嘩、目が合えば喧嘩……とまぁ、もはやオレ達の日常の一部にこの人(骨)達の喧嘩が組み込まれているのだが__
まさかのこの二人、両片思いである。
いやいやいやいや…は?
と、なるだろう。オレもそうなった。だって、出会い頭に骨とナイフが飛び交うような仲の奴らが……互いに恋してる?頭おかしいんじゃねーのか。
だがしかし、これは紛れもない事実なのである。その証拠となる出来事を、少しお話ししよう。
ある日、オレはキラーとボス(ナイトメア)と一緒に酒を飲んでいた。理由は覚えていないが…おおかた、ボスがオレらからネガティブを摂取しようとしていたのだろう。うん、そんな気がする。
「それで?お前ら二人にはなんか秘密とかないのかよ?」
くるくるとウォッカの入ったグラスを回しながら、にんまりと笑ってボスは聞いてきた。
このタコ、全くもって酔わない。なんでだ。グラスが空になりかけたら注がれ、空になりかけたら注がれ…オレとキラーにはすでに酔いが回りきっていた。だいぶ頭がふわふわしていたし…いや、もしかしたらあれもボスの策略だったのかもしれない。そもそも、ボスには思考読み取りと言うトンデモ能力がある。キラーの秘密も知っていたはずだ。だとしたら…キラーの秘密を本人の口から、オレ達に知らしめることが目的だったのかもしれない。そう全ては、ネガティブのために。
おっと話が逸れた。
そう言ってボスは、キラーの方を見た。するとキラーはあからさまに動揺し始め、酒のせいで赤いんだか、照れのせいで赤いんだかわからないほど頬を校長させた。
「あっ、え…っとぉ……」
しどろもどろになるキラー。行き場を失った手が、そっと机に触れる。
「う、ぇ……ない、ことはないかな」
するりと、骨の指で机をなぞりながらキラーは言った。その言葉を受けて、ボスの口許は非常に楽しそうに歪む。
「そーかそーか…で?その秘密とは?」
「うぇっ!?、あぁ〜っと……」
再び吃るキラー。それを知ってか知らずか(多分知ってる)、ボスはさらにキラーを問い詰めた。
「あるんだろ?言っちまえよ。どーせ誰も覚えてないさ」
覚えてますね、ハイ。というかボスは忘れるつもりもないでしょ…というオレのツッコミは置いといて、ボスはさらに畳み掛けた。
「言った方が楽になるぜ?ずっと秘密にしとくのは辛いだろ?」
何刑事ドラマの取り調べみたいなこと言ってるんだよ!!!別にキラーはなんも悪いことしてないだろ!!!
まぁ、オレのツッコミが届くわけもなく…結局、キラーは話すことにしたようだった。
「あっと……えぅ……その…僕、の秘密は___」
顔をさらに赤くしながら、決心がついたのか、半ばヤケクソ気味にキラーは叫んだ。
「僕の秘密は!!実はマーダーが好きなこと!!!!以上!!!!!!」
「は?」
「ブハッッッ!!」
唖然とするオレ。笑い転げるボス。恥ずかしがりながらブラスターを召喚するキラー。あたりは一転、カオスと化した。というか…他のメンバーいなくて良かったと思う、ほんとに。
「うぅぅ……墓場まで持ってくつもりだったのにぃッ!!!」
かくなるうえはと、ブラスターを起動しようとするキラー。それを必死に止めるオレ。ボスは笑い続けていて使い物にならない。
「ちょっっ!!キラー先輩!?!?やめてくださいよぉぉぉッッッ!!!」
「うわーーーん!!!」
オレの酔いもすっかり覚め、あの後はひたすらキラーを止めたり、笑いすぎて机を触手で叩き始めたボスを嗜めたりと、色々あったのだが……
そう、はっきりと覚えているのだ。キラーが、マーダーのことを好きだということを。あのままオレも忘れられたら良かったのだが…本人であるキラーが、オレ達に宣言したことを忘れてる見たいのなので、よしとしよう。というか…知ってるってバレたらオレの命が危ない。まだ死にたくない。
と、いうことで、キラーがマーダーのことを好きなのがこの日分かったというわけだ。
キラーとマーダーの二人(骨)は、今日も今日とて喧嘩をしている。だが、前述した通り二人は『両』片思いの関係だ。そう、二人とも、互いのことを思っているのだ。
つまり、マーダーもキラーのことが好きだということ。なぜそれに気付いたのか、お話ししよう。
キラーの宣言から数日後。オレとボス、マーダーは一緒にいた。いや、ボスがいるからあんなことになったんだろう。あのタコ。
「ア“ーッ、くそ……」
負けた、と頭を抱えるのはマーダー。『負けた』とは、ゲームのことである。
「ハッ、約束は守ってもらうぞ?」
にたり、と笑うのはボス。相変わらず趣味が悪い。
いつにも増して死んだ魚のような目をするマーダーに合掌をしながら、オレは内心安堵していた。なぜなら、その時課せられていた罰ゲームの内容は___
「お前の、『恥ずかしい秘密』を一つ言うんだ」
「うぅ…くそっ…!」
そう、『恥ずかしい秘密』これは先日キラーにも問うた話だ。きっと、ボスは気づいているんだろう。それを口に出させることで、さらなるネガティブを摂取するのか、はたまた__
「絶対やだ……」
ものすっごいいやそうな顔をしながら、マーダーは首をヤダヤダというふうに横に振る。
「罰ゲームにノリノリだったのはどこのどいつだァ?」
そんなマーダーに、ボスが一言。
「うぐっ…」
『どこのどいつ』に覚えがあるのだろう。マーダーは押し黙るしかなかった。
「ちなみにそいつは『罰ゲームは絶対』と言っていたなぁ」
ちらり、とボスはマーダーを見た。
「くそがぁ……サイアクだ」
流石に諦めがついたのか、マーダーはゆっくりと口を開いた。
「えと…オレの、秘密は……」
あ、とか、うぇ、とか、言葉にならない単語を呟きながら、つぶやくような声で告げられたマーダーの秘密とは___
「え、と…実は、キラーが好きなこと…です」
「エッ」
「ブハッッッ!!!!!」
言わないつもりでいたのに…と赤くなった顔を隠すかのようにフードを被るマーダー。愕然とするオレ。またまた笑い転げるボス。
おい前もやったぞこんな光景。なんてツッコミはその時のオレにはなかった。
「え、は、うそぉ!?」
「うそだったらどんなによかったか…」
火照った顔を見せたくないのか、マーダーは自身のフードの紐をキュッと引っ張り、顔全体を隠すようにした。
「フッ…ハハハッ!!!あーっ、お前らほんと面白いな」
けらけらと笑いながら、ボスは涙を拭う。
「もう…ボス」
そのあとは、マーダーをボスがひたすらからかったり、キラーのどこが好きかと聞いたり…もうひたすら女子会のような時間を過ごした
と言うことで、オレは(ボスのアクシュミな策略により)キラーとマーダーの恋事情を知ってしまったわけだが…
「あーもー!!いい加減認めなよ幻覚見てるって!!」
「うっさいパピルスは幻覚じゃない!!!」
この幻覚野郎!黙れ快楽殺人鬼!と、罵詈雑言の飛び交う関係は変わらず。
だが、あの事実を知った後だと、少し彼らの言い合いが違う意味に見えてくる。
キラーによると、マーダーがパピルスと話しているのが気に食わなくて、キツく当たってしまうそうだし、マーダーは、キラーを目の前にすると何を言っていいかわからなくて、結果ああ言う感じになっているのだそうだ。うん。
キラーは愛憎。マーダーはツンデレ。なんなんだよアイツら!!!!
考え込むオレをよそに、言い合っている二人は同時に叫んだ。
『お前なんか大嫌いだ!!!!!』
あーもー!!なんだこのめんどくさいやつら!!!!!!!!!!!!
わぁい!!!!
ちょっとちびっと後日談作る予定です。キラマダなしの。
え、春売り???あ、今頑張ってますよ(目逸らし)
タイトルがお気に入りです。可愛くない?ツンデレまだちゃ。
春売りも書いてるんで、今週中には上がるかなぁ…上がったらいいなぁ…
はいじゃあ終わり!!!