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丘の上の神社とか、雰囲気良すぎじゃね?
漣がたち、潮風がにおう。
カモメが鳴き、沖に見える船は遠い。
駅から出て、海の方から背の方に目を向けると、小高い丘がある。
地図に名前も載ってないような丘の上に、朱色の鳥居が見えた。
名前は……海花神社……。
そして石畳の参道が海の方から続いている。
きっと、夏祭りはこの丘沿いに行われるんだろうな。
自己紹介が遅れたね。
俺の名前は|柚木《ゆぎ》|怜《れん》。短大を卒業して、後先考えず引っ越してきた20歳……。景色や立地、環境は最高だけど、俺の財布が薄くなるというハイリスクハイリターン……。
とりあえず荷物を新居に放り込んで、俺はさっき見えた神社に行くことにした。
したんだけど……まずい、大学卒業した後家からでなさすぎたせいで、圧倒的に腰が弱ってる……。
なのにさっきまで隣を歩いていた高校卒業したばっかりくらいの子は、めっちゃスタスタと登っていった……。
これが……老い?
いや……まだそんなことを考えるには早すぎる。
とりあえず神社にお参りして、神様パワーでなんとかしてもらおう。
神社につき、手を洗って、カランカランなる鐘まで来た。
綱を握り、鐘を鳴らす。
乾いた金属の音が妙に気持ちよかった。
そのせいでお賽銭をいくら入れたか自分でもわからない。
せいぜい、諭吉……もとい栄一は突っ込んでいない。安心しろ、俺。そして俺の生活費……。
二礼二拍手一礼して横にある社務所で、お守りを買った。
きれいな蒼と銀の刺繍。
ショルダーバッグにお守りを引っ提げ、俺は階段を駆け下り、デパートに向かったのだった……。
後日譚
「あれ……俺の、お守り代わりに持ってたサビッサビの5円玉は……」
家に帰って気づいた。
多分、今は神社の賽銭箱の中だ。
まあ、いっか。
御利益あるものを御利益あるところに捧げたわけだし。