はぴはぴはぴばな向井康二主役の小説。((

ー目黒 Sideー 俺の彼女は、不思議な子だ。 感性が人とは少し違うような、 まるで、俺たちには見えない物を見てるような。 だから、不思議な行動をしたり、 突然泣き出したり。 メンバーは理解してくれてるけど、 外の世界に行くと、分かってくれない人も多い。 傷つけないために、傷つかないために、どうすればいいかは、 常にメンバーや、特性を分かってくれている関西の人たちと相談してるけど、 俺も、いろいろ言われてるの見ると、辛いんだよな、 そんなわけで俺も、最近は、 常に心が真っ黒に塗り潰されてるような、そんな気持ちで過ごしている。 もちろん、仕事とのメリハリは付けてるけど、 最近寝れないし、食欲もないし。 どうしようか、どうすればいいのか、 また思考の闇に引き摺り込まれそうになった時。 俺を呼ぶ声が、した。 『めぇめ、？どこ？』 「あ、すぐ行く。ちょっと待って、」 呼ばれた場所は洗面所。 どうしたのかな、と思いつつも向かう。 ドアを開けると。 真っ暗な洗面所。 『ドア、閉めて？』 康二の声。 言われるがままにドアを閉めると、 周囲は闇だった。 「康二？どこn」 『ええから、座ってや。』 『俺がそっち行ったるから。』 少し広めの洗面所の中、康二とくっついて２人。 でも、少しすれば、暗闇に目が慣れたのか、 周囲の状況が少しずつ分かってきた。 いつもの棚。いつもの洗面台。いつもの洗濯かご。 いつもと変わらない風景が、浮かび上がる。 何も変わってなくてよかった、ほっと息を吐いた時。 『なぁめめ、闇の中にはな、』 『光と音が、絶対あんねん。』 「、、、うん。」 今日は、どんな話をしてくれるんだろうか、 結局ちょっとわくわくしながら、次の言葉を待つ。 『めめ、知っとるか？』 『完全な闇の中では、目が慣れることはないんやって。』 『そこにある物が見えることは、ないんやって。』 『光があるから、目が慣れる。』 『闇の中で立ち止まることができるのは、光があるから。』 『光があるから、闇があって、』 『闇と光は共存しとるんや。』 「たしかに。」 「闇に光がなかったら、何も出来ないよな。」 康二と話す時は、思ったことを出来るだけ口に出すようにしている。 そうすると、康二は笑顔になってくれるから。 「じゃあ、音は？なんで闇の中に音があるの？」 俺の素朴な疑問に、康二は答えてくれた。 『光がある闇の中でも、目が慣れるまでには時間がかかるやろ？』 『そしたら、聴覚が働く。』 『音で、状況を把握する。』 『自分やと無意識やけど、それを人間はやっとんねん。』 「なるほど、、、」 『それとな？』 相変わらずの暗闇の中。 大きな目をくるんと光らせて、 満面の笑みを浮かべながら。 『闇っていう漢字思い浮かべてみ？』 『音が入っとるやろ？だからやで！』 にっこにこな康二は、そう言った。