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ふりる🕊️𓂃𓈒𓏸︎︎︎︎ 👓🎀同担〇
「|怪盗キッド《あいつ》の妹ぉー?」
コナンが少し訝しみながら女の子の方を見た。
「本当だってば!」
少しムッとしながら女の子は答えた。
「まあでも、それならオレや薬のことをあいつから聞いていてもおかしくないし、本名を教えられねーのにも説明がつくけど……」
「そんなに疑うなら、明日|快斗《兄ちゃん》と会ってみれば?私も自分の物とか持ってこなくちゃいけないし……」
まだ少し疑い気味のコナンに、女の子はそう言った。
「持ってくるって……もしかして博士ん家に住む気かよ?」
「じゃが、もうウチには空き部屋はないんじゃよ。部屋のほとんどは実験とかに使っておるからのぉ……毛利くんの所なら住めそうじゃがのぉ」
「そうだな……あとで電話してみるか……博士、1回博士ん家に行くぞ」
「お、おぅ……………ほら、君は後部座席に。」
コナンと博士が車に乗り込み、女の子は戸惑いながらも後部座席に乗った。
「灰原ー!いるかー?」
「何……?こんな時間に。あなた今日杯戸町行ってたんじゃないの?」
「ああ、実は帰り道にさ……」
そう言ってコナンが少しずれると、後ろからだぼだぼの服を着た女の子がひょこっと出てきた。灰原の顔が険しくなる。
「新たな被害者……かしら……」
「ああ、怪盗キッドの妹らしくてな……」
女の子はコナンに向かって、
「誰?あの可愛い子」
と聞いた。
「可愛いか……?灰原哀って言うんだ。元々組織の科学者で、おめーが飲まされた薬を作った人」
「あんた、聞こえてるわよ。」
灰原がムスッとした顔でコナンの方を向いた。
「わ、わり……」
「で、名前はどうするの。博士。」
灰原が持っていた本をテーブルに置き、女の子のほうに近づいた。まじまじと見て、少しハッとした顔になる。女の子の方も、灰原を見てなにか心当たりがあるようだ。
「そうじゃな…哀君もアイリーン・アドラーから取っておるし…下の名前は凛、とかどうじゃのぉ」
「いいんじゃない。凛って顔してるし。」
「どうゆうこと……」
女の子の方は、少し苦笑い気味だった。
「じゃあ、苗字は石澤、とかどう?シャーロック・ホームズのロックは石って意味もあるし。」
「いいのぉ!君もそれでいいかい?」
女の子……凛は、こくり、と頷いた。
「じゃあ2人と同じ学校に手続きしなきゃならんから、今日は哀君と同じ部屋になってしまうがここに泊まってもらうかのぉ」
「じゃあ、オレも。」
「で、明日キッドに会うって、どうやって会うんだよ」
コナンが灰原の淹れたお茶を飲みながら言う。凛は灰原の服を借り、お茶をゆっくりと飲んだ。
「そりゃあ近所のどっかに待ち合わせして、兄ちゃんには名探偵に変装した状態で話せばいいんっじゃね?」
「なるほどね…」
「私のことについて、話さなきゃいけないこともあるだろうし。」
「話さなきゃいけないこと?」
凛は控えめにふっと笑った。それ以上は話したくない、とでも言うかのように。
「とりあえず今日は私の部屋で寝ることね。アポトキシンは体に負荷がかかるから、しっかりと休ませるのよ。」
灰原は自分の部屋に布団を敷きにあくびをしながら行った。凛と2人きりになったコナンは、スマホをしまった。
「今返信があって、おっちゃんや蘭もおめーを出迎えるって言ってたし、安心して寝れんじゃねーか。あとはおめーがキッドに連絡したらオレも寝る。」
「あぁ、そうだね」
凛も自分のスマホを取り出し、少し操作をして電話をかけた
「もしもし、兄ちゃん?」
『なんだ?急に呼び方変えたのかよ。』
「あ、いや、今隣に兄ちゃんの言う名探偵さんがいるからさ。」
『はあ?』
なぜ|名探偵《あいつ》と接点のない妹が一緒にいるのか。
「実はさあ、私も名探偵とおんなじ薬飲まされちゃって……」
『え!?………て、おめぇ、裏切ったのかよ?』
通話ごしでもキッドがシラケた顔をしているのがわかる。
「そうじゃない。それで石澤凛っていう名前になったから、これからよろしく。」
『名探偵の家に居候するのか?』
「まあそのつもり。で、明日荷物とか取りに行くからさあ、そうだねぇ、米花東公園にでも荷物持って来てくんねーか?」
口調が世良と全く同じだなぁ、 とコナンは思った。
『あ?なんで?』
「名探偵も一緒に行きたいってさ。好きなように変装して会ってあげたら?私のことについて、自分ではいいたくないし。」
『はぁ、まあいいけど。じゃあ明日の10時な。オレもう眠いから寝る。じゃあな』
「あ、うん」
ぷつっと電話が切れ、スマホをポケットに入れた。
「どうだった?」
「明日の10時米花東公園。」
「OK。じゃあオレも寝てくる。おやすみ。あ、灰原の部屋はそこの廊下の突き当たりな。」
「わかった、おやすみ。」
ふぅ…