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ババ抜き
杏胡
ここは天翔る船…ローアの中。ハルカンドラの民が汗水垂らしながら造った心がある船である。そんな神聖な場所で…
下らなくてしょうもない争いが起きていた。
「ソロソロ負けヲ認めたらドウダイ?」
余裕そうな表情でマホロアが言った。
「ふん。そっちだって内心焦ってる癖によく言うのサ」
こちらも煽っている顔でマルクが言った。
そう。今、マホロアとマルクは3時のおやつを掛けた、ババ抜きをしているのだ!
マホロアの手札はあと二枚。マルクの手札はあと一枚。この勝負はマルクがどちらを引くかで決まるのだ。
「サァサァどっちヲ引くんダイ?ジョーカーはドッチか!右かナァ、左かナァ」
「うーん…」
どうしよう。わかんない。こーゆうときは…
「右?」マホロアはなにも言わない。
「左!」同じく言わない。けどマルクは小さなサインを見逃さなかった。
「じゃ、左!」羽で器用にカードを引く。
マルクが引いたのは…
「よーし!上っがり~」
数字の7だった。
「…納得イカナイ。ズルしたデショ。」
「してねぇよ」
お前の事よ~く見てたからな、と付け足した。
「ホントズルい。ソウ言うトコ。」
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3時のケーキを口に頬張りながらマルクは言った。
「お前な、嘘つくほぉき耳がぴくってなるんふぁよ」
「…!嘘、完璧だと思ったノニ」
若干悔しがりながらマホロアは呟いた。
「ボクの目は欺けないぜ?」
クリクリの大きい目を見せながらマホロアに言う。
少し呆れながらマホロアは言った。
「ククッ、マルクには嘘がつけないネェ」
回覧ありがとうございました!短くなってしまいましたが記念すべき1話目です。これからもちょくちょく書いていきますのでよろしくお願いします!