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空にはためくフェニックス!#1 病院から見るフェニックス
おいしいどら焼き
長岡花火、病院から見るフェニックス。
花火は正直言って苦手。でも、フェニックスだけは、点滴の副作用でだるくなった身体を奮い起こしてまで見たくなるんだ。
空にはためく、輝くフェニックスに願う。
「私だけの友達ができますように……!」
「……んっ……」
ぱちっ、と目を覚ますと、そこには見慣れた白い部屋とベッド。
見ての通り、私は入院生活を送っている。
「美鈴ちゃん、星空美鈴ちゃん、って、もう起きたの⁉」
看護師……清水さんの驚く声。
「あんまり夜更かししちゃだめよ!」
「だってさ、フェニックスなんだもん!テレビで11時まで少しフェニックスをループ再生してただけ!」「昨日も見てたでしょ」
そういわれて何も言えなくなる。うぅ、そうでした…!
ここ……、石川病院の窓は、長岡花火を見るに絶好の場所。
小さいときから入院している私は、毎年こうやってフェニックスを見ているんだ。
ほんとは
スマホを開くと、一番上の日付が8月4日と言っていた。
私の名前は星空美鈴。小学四年生だよ!
小学四年生……、って言っても、実際は院内病院しか通ったことないんだけどねぇ……。
「ほら、点滴するわよ」「はーい………」
今日も花火終わっちゃったかぁ……。さみしい…。
左腕にちくり、と痛みが走る。この痛みも、もう慣れた!
名残惜しくて頭を右の大窓に向ける。昨日………あと一昨日もか………花火を見た窓。
何気なく下を見下ろしてみると、病院の庭が見える。向日葵だ。
「清水さん、夏って暑……」
「夏は暑いわよ〜…もう汗ダラダラ!って美鈴ちゃん、どうしたの?」
私は自分の疑問の答えは聞こえていなかった。頭にはいらなかった。
だって、向日葵が咲く病院の庭に。
大学生くらいの女の子が倒れていたのだから……!
「熱中症だったみたいよ。意識はある」
「よかったぁ………!」
私は倒れていた女の子のことを清水さんに聞いていた。
「ただ………」「ただ?」
「記憶喪失みたいね〜。」
「記憶喪失!?」
記憶喪失って、記憶がなくなった、ってことだよね……!?
「今身元を確認してるんだけど、親が見つからなくて……」
親が見つからない…、それって、「身寄りが……ない……」
早く見つかるといいな……
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秋の気配がしてくる10月。
身元は全然見つからずに、救護施設に一時的に入るか、里親を探すかの話になってるんだって。
「ねえ、里親、私じゃダメ!?」清水さんに言ってみた。でも清水さんはぷっと吹き出した。
「美鈴ちゃんが親になるなんてーー」
「っ……、いや、えっと、私んちに引き取るの!」
「でもおうちの人の同意とかが……」
私は負けじと、普段は考えられないくらいの大声を張り上げた。
「じゃあママにLINEする!許可取る!」
「………」「………」「「……」」
許可……取れちゃっ、た……
ま、まさか本当に取れるなんて!?
そこからはトントン拍子で進んでいった。
児童相談所から正式に許可を取り、あっという間に引き取ることに。
今日は一時引き取り初日、私も調子がいいから一時的に家に帰れるんだ!
車に乗るとき、彼女の高い身長を見上げて聞いてみた。「なんて呼ばれたい!?」
「私は……、特にはっ………」
パッとしない答えが返ってきた。遠慮してるのかな?
「じゃあ………、詩ちゃんで!」
わぁぁっ………。と笑顔になった詩ちゃんは、
「これから頑張ります!」
って言ったんだ。「うん!」
………って、何を頑張るんだろう?
今回の挿絵【詩】
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