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星座の女
さそり座って夏らしいね
夜、窓を見る。
夜空に見えるは、星座の女
窓に映るは、正座の私
こんなの見たくない。
でも、見てしまう。
星座の女、夏のさそり座
玉座の妖気に思わず正座
さそり座は今日もそのセクシャリティで、冴えない私を圧倒する。
私はあまりの美しさと虚しさに涙を流す。
正座で固まる私と
空で自由に輝く星のさそり
まるで次元が違う。
私のようなヤツは遠くからファンでも気取るにとどまるしかない。
姿勢を崩し、踏み寄れば,,,
,,,ッ!
,,,足が痺れる。
気持ちを汲み取られることなく。
逆に刺される。
さそりは妖気に反り、光る
私は正を貫き、心剃る
私もあっちヘ行きたい。
でも行けない。
痛い思いをしたくないから。
空が怖い。
座り慣れてしまって、宙に浮いていけないの。高所恐怖症。
変わりたい
でも、変わると痛みが
立ち上がりたい
でも、立つと痺れが
どれだけ憐れに手を伸ばしても、足の痺れが樹根のように染み付いて離れない。
,,,もう終りにしたい。
いっそのこと|胡座《あぐら》をかいて
だらしないところを見てもらいたい。
そうすればさそり座なんか気にならない。
無慈悲にも照らす星座の明かり
無意味にも続く私の正座
張る根
消える自身の輝き
そうよ。
さそり座は夏が終わらない限り、無限に照らし続ける。
胡座だろうが何だろうが、いつかはその光で脚光をものにする。良くも悪くも。
それをさそりの毒とするか、夜の灯りとするかは自分次第じゃないか。
星座の光に負けて暗い気持ちになってはいけない。
自分の輝きをしまっちゃもったいない。
思いっきりアピールするんだ。
星座の女に見えるように。堂々と。
樹液も出して、気を引いて。
新しい根と手を伸ばして。
最初は痺れがあったが、2、3歩歩けばもう大丈夫。
痺れを交わしシビアを飛び越す
恐怖を捨てて、今日変わる
まっすぐな目で、立ち上がって,,,,,,,,
夜、空で見上げる。
夜空に映えるは、いて座の私
窓から観るはたくさんの人々
さそり座はここからは見えないけれど、あの時を思い、今日も光るよ。
「おぉ。今夜はよく星が見えるなぁ。」
「本当だね。綺麗ないて座。」
「今日はよく眠れそうだ。」
「明日がいい日になりそう!」
空まで来た甲斐があった。
最初の 。なし2行からストーリーが出来上がるまで、そう時間はかかりませんでした。(面倒い謎アピール)
天体のことは全く分かりません!