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シンセカイ案内所ⅲ/wrwrd
僕は、相棒のことを昔からいたから知ってるものと思ってた。でも違った。
「ねえ、シッマ。」
「どしたん?」
「僕さ、シッマのことよく知らなかった。だからさ、いろいろ教えて?」
「いろいろってなんや?」
「んーなんだろう」
聞いてみたはいいが、詳しく何を聞くか考えていなかった。
「ふっ、なんやそれ。」
「じゃーあ〜、シッマ、今何したい?」
「今?大先生と居れればいいや」
「んーだめだなぁ…」
きっと、彼は望まれたいのかと時々思う。
「じゃあさ、死ぬときに誰かと一緒に死ねるとしたら誰と死にたい?どんなふうに死にたい?」
「大先生と一緒ならどんな死に方でも。」
「僕のことめっちゃ好きじゃん。シッマ」
「好きというか、一番安心できる人やな。」
ああ、心のどこかで今安心した。
僕が一番シッマの心を支えられてるんだって。
「じゃあさ、今、死にたい?」
「んー…大先生と楽しく暮らして、幸せになれたら死んでいいや」
「そっか。じゃあ約束する」
「なにを?」
彼の夢を叶えるため、彼が幸せに逝けるために
僕は君の我儘を何個でも聞くよ。
たとえどんなに僕が嫌な願いであろうと、君が望むんであれば。君が、否定してほしいなら。君が肯定してほしいのなら。
ー何か銃声が響く
僕は何かしらの痛みに耐えながら言う。
「お前が何回も「案内して」って言ったら僕はその言葉をいつか否定することを約束するよ」
僕は初めて君と目を合わせた気がする。
君はすごく誰もが欲しがるような、嫉妬するような美しい宝石を輝かせながら溢れる涙を拭いながら、声を上げず、静かに泣いていた。
「大丈夫。落ち着くまで、気がすむまで泣いていいよ。僕はずっと居るからさ」
「大先生、死なないで、置いていかんとってぇや、頼むから、返事してや、なあ
大先生、聞こえてるならさ、俺の命を、一等賞を____
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ぱたん。といい音をたてながら本を閉じる。
いい加減な妄想もこれくらいにしてほしいもんだ。でも、これが本当にあったことなのならば、俺たちは3回転生してることになる。
「不思議なお話だったね。」
「変な本読んでへんでテス勉しろや〜?」
「へいへい。」
「ただでさえお前転校してきたばっかやろ?勉強急いだ方がええで。」
今度は、僕がお願いしてもいいよね?
一生にいくつかの願いさ。聞いてくれるよね優しい君なら。
「今更やけどさシッマ」
「なんや?言うてみぃや」
「案内してくれへん?」
そう僕が言えば、シッマは懐かしむような顔で、心底嬉しそうに微笑んだ。
「そのかわり、ちゃんと案内代は頂戴な。」
「ふっ、OK.k」
「thank you.d」
読んでくださってありがとうございます!!!
完結でございます。
最後の本のknさんのセリフは前のホワイトハッピーをみるとわかるかもしれませんね〜。それではぐっぱいまる!
(リクエスト書き始めます!)