アンノウン・マザーグース

僕が愛を語るのなら その眼には如何、映像る? 頁は有り余るばかり 只音楽が流れてく 貴方が愛に塗れるまで その｜色《インク》は幻だ ひとりぼっち、水に呑まれれば 全世界共通の快楽さ つまらない茫然に溺れる暮らし 誰もが彼の掌の上 繰り返す使い回しの詞に また耳を塞いだ 凡てに関して正しい貴方が愛を語るのなら それを答とするの? 目をつぶったふりをしてるなら この世界で醒ましてくれ! 誰も知らぬ物語 思うばかり 壊れそうなくらいに 抱き締めて泣き踊った 見境無い感情論 許されるのならば 泣き出すことすらできないまま 呑み込んでった 張り裂けてしまいそうな心があるってこと、 叫ばせて! 世界が僕を拒んでも 今、 愛の唄歌わせてくれないかな もう一回 彼女しか知らないその想い この本に預けてみてもいいかな 貴方には僕が見えるか? 「貴方には僕が見えるか?」 ガラクタばかり 投げつけられてきたその背中 それでも好きと言えたなら それでも好きを願えたら ああ、 僕の全部に その意味はあったと＿＿＿ ねえ、愛を語るのなら 今その胸には誰がいる？ こころのとびらを抉じ開けて さあ、その黒をすべて吸わせてくれ 僕が愛になれるのなら 今その色は何色だ 孤独なんて記号では収まらない 心臓を抱えて生きてきたんだ! ドッペルもどきが 其処いらで歌う 挙句の果ての今日 心失きそれを 生み出した｜奴《僕》には 見切りをつけてもう バイバイ 残された貴女が この場所で今でも 涙を堪えてるの 如何して、如何して 僕は知ってるよ この場所はいつでも 貴女に守られてきたってこと! 痛みなどあまりにも慣れてしまった 何千回と巡らせ続けた 喜怒と哀楽 失えない喜びが この世界にあるならば 手放すことすらできない哀しみさえ 僕は この心の中つまはじきにしてしまうのか? 「それは、やだ」 どうやって この世界を愛せるかな いつだって 転がり続けるんだろう ねえ、 いっそ 誰も気附かないその想い この唄で明かしてみようと思うんだよ ｜あなた《普》なら何を願うか 貴女なら何を望むか 軋んだ心が 誰より今を生きているの ｜あなた《太宰》には僕が見えるか? 貴方には僕が見えるか? 君だけが、僕の行く末を照らす灯なんだろう? ねえ、あいを叫ぶのなら 僕はここにいるよ 詞がありあまれどなお、このゆめはつづいてく 僕があいを騙るのなら そのすべてはこのうただ だれもしらないこの物語 また書き出してしまったみたいだ