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安らかな眠りを。
Lime「Rue!交代だよ!」
Rue「...嗚呼。」
むかしむかし、あるところに、天使と悪魔がいました。
その2体は墓守として、静かに永遠の眠りについた者を守っていました。
白き天使、Limeは幸せの象徴。
黒き悪魔、Rueは不幸の象徴。
その2体が一緒で、裁きと平穏の象徴でした。
そんな、ある日のことです。
いつもは澄んだ空が、今日は何だか暗かったのです。
Lime「ねぇ、Rue...天界、おかしくない?」
Rue「...あそこは、確か...高天原じゃないか?」
Lime「え、確か高天原って日本の神様の...███様とかが居る...?」
Rue「...おい、今なんて...っ!?」
突如、暗く、全てを飲み込むような炎が目の前で燃え上がりました。
Rue「っ...誰だ!?」
Lime「!?...何、これ...」
目の前に現れたのは、黒髪の、黒い狐の面を着けた女性。
Rue「!お前は亡骸達を!!」
RueはLimeに指示を出しながら、鎌を出しました。
Lime「...(人間じゃない、神様じゃない、まるで、純粋な「`悪`」...)」
Limeは得体の知れない存在を警戒しつつ、すぐに亡骸を守る体勢になりました。
██「あっはは!こりゃあ良い、面白そうな奴が2体も居るじゃないか。」
Rue「お前...誰に、何をした?」
██「...へぇ?流石だ。察しがいいねぇ」
Lime「...?」
Limeは何が起きているのかわかっていない様子でした。
それを見て、██は...
`グチャッ`
Lime「っ...!?」
Rue「!Lime!?」
Limeの身体の半分が、██の出した何かによって、食いちぎられました。
Lime「あ...Rue...ご、め...」
言い終える前に、Limeは喋れる程の体力も無くなってしまいました。
Rue「嘘...だろ?なぁ、返事...しろよ!!」
Rueはじわじわと、確実に、絶望へ落ちて行きました。
██「可愛そうに。お揃いで死なせてあげよう」
そう言うと、██は何かを出し、Rueの左半分を食いちぎらせてしまいました。
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嗚呼!可哀想に!
何故、この2体はこんな目に遭わなきゃなのでしょう!
何故!どうして!
2体はただ、平穏を守っていただけなのに...
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--- こうして 悪魔と天使は 永久なる眠りを ---
--- ...迎えさせるのは、まだ駄目だ。 ---
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Rue「(今...何か...)」
Rueは瀕死で、Limeの元へ這いずりました。
Lime「...Rue.........死んだら、何処かな...」
Rue「...お前は、何処が良い?...」
Lime「......Rueと一緒なら...天国でも、地獄でも...何処でもいいや...」
Rue「...じゃあ...逝くまで...離れないよう...」
LimeとRueはお互いの手を握ると、目を閉じました。
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『...?』
((生きている...))
『「Rue「」Lime」?』
2つの声が重なる。
俺は...俺たちは...1つになったようだ。
天使でもない。悪魔でもない。
墓を見ると、平穏が戻っていた。
『...これからも、2人で。』
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こうして、天使と悪魔は1つの「死神」となりました。
死神は、今でも裁きと平穏の象徴として、魂を守っているのです。
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