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暁前の微光【14話】
嘘のような実話。
実話のような嘘。
この話は嘘か、本当か。
カラ、LOUIS、寺、周…4人の少年少女達が織り成す怒涛の家出劇。
底に埋もれた強者達。
逆境に仰がれし弱者達。
さらに強くなれ。
強い者だけに、道は開かれる__________
カラ「_____みて」
指をさす方向にあったのは紛れもない、あの場所だ。
懐かしい。
去年、周と寺と、カラと四人。その家族と訪れた。
この日だけにやっている、一年に一度しか見れない光景。
赤と緑で彩られたフェンス。クリスマス仕様。
入口の小さな門のようなところには、招き猫が飾られている。
白猫をベースにして、朱色で沢山の装飾がされている招き猫。
その首元には銀色の鈴の首飾りが光っている。
この門を開けたらその先には僕が望む景色が待っている。
今年も観に来れますように、とずっと願っていた景色。
青空に映える大きな花。
赤や青、黄色に光る花。
来たよ。
もしも神様がいるのなら
これだけ勇気を出してここまで来た僕たちに
最高の贈り物を。
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心臓がばくばく鳴っている。
脈が早い、緊張しているのだろうか。
胸の辺りをぎゅっと掴み心臓の音を抑える。
抑えたばかりの心臓音が再びばくばくと体内に響く。
LOUIS「いこう」
僕の言葉で全員が喉を鳴らし頷いた。
深呼吸をする。
目を閉じて、落ち着け、落ち着けと自身に言いかける。
目を開ける。
さらにはやくなる脈と心臓音に迫られるかのように門のドアノブに手をかける。
ギィ…、…と軋む門を開ける。
そこには家族連れの人や、友達と訪れたと思われる人々で賑わっていた。
カラ「人多いねぇ」
寺「ね。」
周「去年も多かったけど…」
LOUIS「そろそろかな」
____瞬間
ひゅうぅうう〜と《《望んでいたもの》》が打ち上げられる音が聞こえてきた。
その場にいた全員が一斉に空を見上げる。
ぱぁんっ……と乾いた音が空に響き渡る。
刹那、僕らの目にとびこんできたのは紛れもないその光景だった。
ついたよ。
今年は見れないのかもしれないと、何度諦めただろうか。
絶対に叶わない願いだと知っていた。
沢山の人に拒絶され否定された。
『無理』だと。
僕のことを思って止めてくれたカラ。
その想いを振り払ってまでみたかったんだよね。
あー…泣きそ
カラ「ん…えっ!?LOUIS、?」
周「どうしたの、」
寺「どこか痛い…?」
LOUIS「え?」
カラ「___泣いてるよっ、?」
なにがあっても僕の味方でいてくれて。
我儘な願いを叶えてくれた三人。
本当、感謝してもしきれないなぁ……w
LOUIS「ん…、」
溢れ出す涙を袖で拭う。
一瞬驚いたような顔をした三人だが、すぐに目線を上へ戻した。
寺「綺麗」
周「ね。」
カラ「来れてよかったね」
LOUIS「ん」
本当におかげさまで。
泣くのなんて想定してなかったなぁ…
まぁ
それも全部
--- 『_______』 ---
ただそれだけ。
続く。