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姉貴面
「いいな、朱海は。なんでも持ってて。」
朱海——-妹が心底羨ましい。
妹のなれたらな。
友達も多くて成績優秀で。
誰からも愛されてて。
「いいな。」
いくらそう願ったって、意味なんてないのに、ね。
「ただいまー。」
「あ、朱海。遅いよ。もう7時半。今日は部活、なかったはずでしょ?」
指摘すると、妹はあからさまに不機嫌になって私をギロっと睨んできた。
「何よ。姉貴面しないでよ。あたしより劣ってるくせにさ。」
「え。」
姉貴面?何それ。だって姉じゃない。家族じゃない。
確かに妹より劣ってるけど。
何も満足にできないけど。
でも、いくらなんでもひどい。
驚いて何も言えないでいると、妹はひとつため息をついて2階の自分の部屋に戻っていった。
「あっちょっと…!」
「ふんっ。」
「…朱海。」
妹の名前を呼ぶと、自然と目から涙が溢れてきた。
悲しみと悔しさ、怒りと失望。
それらがぐちゃぐちゃに混ざり合ったような、変な気持ち。
妹より劣ってて何もできないような私に、生きてる意味なんてあるのかな?
ふと、そう思った。