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お転婆お嬢のドタバタ舞踏会 #1
mamna
ルビーという名前のお転婆(?)お嬢様が舞踏会に行く話です。
ルビーさんは転生者です。
あたし舞踏会が大嫌いなの。甘いものが大嫌い。お紅茶が大嫌い。香水の匂いが大嫌い。王子様も王女様も大嫌い。それなのに、あたしは今仮面を被ってわざわざ知らない人と踊りに来てる。どうしてこんな事になっちゃったんだと思う?お姉様のせいよ。「行きたくない」って言ってあたしに招待状押し付けてきたわ。仮面つけてるからバレないでしょなんて安易な。バレなかったけれど、結果論で良いわけないわ。しばらくお紅茶をどれだけバレずに水で薄められるかチャレンジしていたのだけれど、案外時間が経っていたわ。(すごくしょうもないと思うでしょう。けれどあたし、この時間だけはお紅茶が好きになれるのよ。)
「ワァー....エリック様だわぁ...!」
黄色い声が聞こえると思ったら典型的な王子様が出てきたわ。あたしには無縁ね〜と思うことがフラグになるのが転生モノの小説にはよくありますけれど、あたしにゃ起こりませんわ。仮面つけてるからではありませんわ。たとえ一緒に踊ったとしても、その後二人でパーティーを抜け出してなんてありえませんわ。
💥バリーン!!
「何事ですの!?」
ざわざわしているおかげで、あたしがどんなに悲惨な叫び声を上げても空気読まない奴にはなりませんわ。というかこの展開、少女漫画系の転生モノというより教室に不審者が出るただの厨二病妄想なのでは...?(小声)ああ違いますわよ!!あたしは何も言ってない...言ってない!ですわよ!!
やれやれですわ...なんて言って立ち向かえるほど勇敢ではありませんからね、様子を伺うので精一杯ですの。不審者はキョロついてますわ。丁寧にも仮面を被ってそもそも舞踏会の参加者のような格好をしていますわ...。
「そこのお嬢さん、チョコレートマシュマロがどこにあるか知りませんか?」
は、はぁぁぁぁぁ...!?
喋ったぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!!!じゃなくて。
あたし?あたしに聞いてるの?窓割って入ってきた不審者が開口一番チョコレートマシュマロ食いたいってこと...?意味不ですわ。いえ、却って意味深ですわ...。
さぁどうなる!?
みたいな展開かと思ったけど緊張感ないですね〜。
ルビーお嬢さんはお紅茶を水で薄めまくります。
まあ紅茶って水ですから(?)。