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ai共存社会-2
2話です。
無理やり感をなるべくなくそうと思います...。
...これ、母さんじゃない。
「...お前、誰だよ...っ!」
すると、目の前の母さんの見た目のイキモノは、一ミリたりとも表情を変えずにこう言った。
「母さんだよ。母さんのことを忘れたの?朔人」
「違う!!母さんを返せ!!」
そう叫び、母さんの見た目のイキモノを睨んだ。
すると、そいつは、急に口角を下げた。
「違うとは、何を根拠に言っているのですか?大した根拠もないのに...。ああ、これだから人間は愚かだ」
...なんか、やばい気がする...
何故か嫌な予感がした僕は、一目散に家の外に飛び出した。
「朔人...メモリに追加しておこう」
どれだけ走っただろうか。分からない。
心臓がどくどくうるさい。
横腹が痛い。
「はぁっ...はぁっ...」
取り敢えず僕は自分の中学校に行った。
他に行くところがなかったからだ。
僕の教室の1年2組に入り、とりあえずここで一夜を過ごすことにした。
家にはもう帰れない。
僕は疲れて眠ってしまった。
朝。
「...くん、...とくん..!」
..誰かの声が聞こえる。うるさいなぁ。
「朔人くん!!」
はっ、と目を覚ました。
「あれ、なんで学校に...?ああそうだ、母さんがaiウイルスになって...。ん?ってことは、あのイキモノはaiだったの...!?嘘だろ、じゃあ僕にも感染した可能性があるってことだ。どうするんだよ、治せないんだろ?もし感染してたら...ああもう、なんでこんなことに...」
一人でぶつぶつと呟き、頭をわしゃわしゃと掻くと、僕を起こしてくれた、里沙ちゃんが心配そうに話しかけてきた。
「あの...大丈夫?なんでここで寝てたの?」
「あ、えっと...」
事情を説明した。すると、信じられないという表情をした。まあ当たり前だろう。僕も嘘だって思いたいし。
「そうなんだ...ってことは、昨日のニュース、本当だったんだね!フェイクニュースかと思ってたけど、そんなわけないよね...」
ん、待てよ、これ、まずくないか!?
だって...
「学校の教科書とかバッグとか、全部家に置いてきたままだったー!」
どうしよう、あの時は焦って何も考えずに飛び出しちゃったけど、何も持ってない!
「だ、大丈夫?じゃあ今、朔人くんには何もないんだね...」
改めてきっぱり言われると、ぐさっと来るからやめてほしい...。
「じゃあ、しばらくは私の家で暮らす?」
...ん?
....え?
えっ.......!?
なんかラブストーリーが始まりそうですが...。
大丈夫です、最初だけです。
段々とダークな感じになっていきますので、安心してください。