公開中
第25話 聖夜〜前編〜
キャラ設定集です!
https://tanpen.net/novel/series/71e01e24-d6a8-43aa-a364-8348f3326862/
ちなみにまだ登場していないキャラも入ってます…
今日はクリスマス。
リフはカシミアの家で目覚めるが、あまりの寒さに再びふかふかの布団の中に潜り込む。
昨日夜遅くまで勉強したのも相まってさらにふとんが心地よく感じる。
すると下の階から優しい声が聞こえてくる。
カシミア:「リフくーん!」
リフは居候のため迷惑をかけたくないと思い、だるそうにしながらも布団から抜け出す。
ぼーっとした頭を起こすため、窓からその景色を見て伸びをする。
リフ:「…眠いー」
そう一人呟きながらボサボサの寝癖を直しつつ下の階へと降りていった。
---
リフ:「おはようございます。」
カシミア:「おはよう。ご飯用意してあるから、顔洗ったら食べてね。」
カシミアは穏やかに微笑んでリフを洗面所へと促す。
リフ:「はーい」
リフはノロノロと洗面所へと向かっていった。
---
顔を洗いながらリフは考え込む。
ネイタスのいない朝は何度目だろうか、本当に無事なんだろうか。
いまだにこれといった手がかりは掴めておらず、リフは少しずつ焦りを感じてきていた。
リフ:(早く見つけないと…手がかりを。)
朝から暗い気分になりつつも、適当に身だしなみを整えてカシミアの待つテーブルへと向かう。
カシミア:「リフ君、昨日のことなんだけど…」
二人が机を挟んで向かい合わせ座ると、カシミアは真面目な顔をして話を切り出す。
カシミア:「ごめんね。気づいてあげられなくて…まさか一人で戦っていたなんて。…いや、『ドルチェネーロ』の皆さんがいたんだろうけど…」
カシミアは申し訳なさそうに謝る。
カシミア:「今日、ドルチェネーロさんのところに行こうと思うのだけど、リフくんもついてきてくれない?」
リフ:「もちろん!俺も行こうと思ってたし。」
リフは二つ返事で了承した。
---
ドルチェネーロのアジトに着き、リフは階段を上り扉を開け放つ。
リフ:「おはよ…」
リフがアジトに一歩足を踏み入れるとメンバー全員が一斉にクラッカーを鳴らした。
メンバー:「リフ!誕生日おめでと〜!!」
リフは突然のことに腰を抜かして驚く。
リフ:「え…あ、…ん?どういうこと?」
カシミア:「実は…昨日リフ君の誕生日のこと成り行きで話してたら祝おうってなって…」
カシミアがニコリと笑ってそう話すと、セイムが
セイム:「お前、最近元気なかったみたいだしな。まぁ、サプライズだ。」
と言ってリフの頭をポンポンと叩く。
リフ:「そういえば俺、今日が誕生日だったんだ…忘れてた。」
ライアー:「ショッピングにでも行こうぜ!気分転換も兼ねてな!」
---
かつて大量クリアモンスター発生事件が起きたあの西地区のショッピングセンターに着くと
未だに少し崩れた壁や壊れたオブジェなどあったが、
イルミネーションがキラキラと輝いていてクリスマス一色にデコレーションがされていた。
リフ:「うわぁ…めっちゃ綺麗じゃん!」
イオ:「これがクリスマスツリーってヤツか!でっけぇな!」
ライアー:「あ!向こうに『年末宝くじ』あんじゃん!行ってくる!」
スター:「なにそれ?面白そー!」
ライアーとスター(人の姿)は楽しげな様子で宝くじの売店に向かっていった。
ショコラルテ:「あの二人ここへきた理由忘れてるのかしら…」
周りのメンバーが呆れる中、ユキとリオはなぜかいい感じになっていた。
リオ:「ツリー綺麗だね〜…ユキの方が綺麗だけど!」
リオが巨大なデコレーションツリーを見上げて言う。
ユキ:「またいつもの冗談?」
ユキは白いため息をついてそっぽを向く。
リオ:「いや。本当さ。」
リオはいつもとは違う真剣な顔でユキを見つめる。
ユキ:「……え?」
ユキがその言葉に反応した時にはすでにリオは他のメンバーと談笑しに行っていた。
ユキはいつも崩さない真顔を少し緩めたのであった。
---
レイ:「何か欲しいものとかないの?」
誕生日プレゼントを買うため、レイがリフに欲しいものを尋ねる。
リフ:「それじゃ…服が欲しいかな。」
リフは自分の着ている服を見て言う。
リフ:「この服…小学生の頃から着てるからさ。」
周りのメンバーは驚いた顔をする。
ローザ:「物持ちがいいんですね。…しかしそんなに長く着られるものなんですか?」
ローザが質問するとリフは少し照れながら言う。
リフ:「実は小学生の頃から5~6cmくらいしか身長変わってなくて…」
ナオ:「そ〜なの?確かに小柄っちゃ小柄かも?」
ナオはニヤリと笑って少しからかう。
リフ:「やめろ〜!これからもっと伸びるんだよー!」
ナナ:「身長小さいって言われるの…やだよね…私からしたらみんな大きいけど。」
ディザ・スター:「わかる〜!」
4人は意気投合して頷く。
するとファイが手を叩いて催促する。
ファイ:「時間ねェんだ、とっとと行こうぜェー」
シェフリ:「はい♡」
ファイ:「お前…くっつくなって言ってんだろうがあ…!」
シェフリ:「いいじゃないですか。だって今日はクリスマスですよ?」
ファイ:「んなこと知るかっ…!」
相変わらず離れたいファイと離れたくないシェフリで格闘している。
ミディアメスト:「いこいこ〜」
ジューン:「ほっとこ〜」
ファイ:「オイッ”!無視すんなァ”!」
シェフリの首をマフラーで締めているファイを放って、メンバーはブティックエリアに向かう。
---
多種多様なブティックが揃っているエリアにつくと、
カシミア:「まあ、ステキ!!」
カシミアは瞳をキラキラと輝かせて服に飛びつく。
カシミア:「これもいい…これも素敵…ふむふむなるほど、最近はこのレイヤードした服が流行っているのね…ぶつくさぶつくさ」
カシミアはリフ顔負けの様子で早口で何か語っている。
カシミア:「…貴方、この服とっても似合うんじゃない?着てみて!」
そして大量の服をリフに押し付けてくる。
リフ:「あ…はい。」
するとシェイが服を持ってリフの方へ向かってくる。
シェイ:「こんなのどうだ?クールじゃん?」
シェイはいつもの笑顔でリフに自分でコーディネートした服一式を見せる。
それは赤と紫を基調としたコーデで、節々に|髑髏《どくろ》のあしらいが施されており、
お世辞にもオシャレとは言い難いものだった。
リフ:「だっさ!無理無理絶対着たくないっ!」
リフはシェイの持つ服から距離を取る。
ロアヌ:「てかそんな服…どこから持ってきた…逆に才能だよ。」
ミリィ:「すごく…個性的です…」
メイ:「ださ。」
ショコラルテ:「ええ、ファッションセンスが壊滅的ね。」
イオ:「コイツ、ネーミングセンスもないんだよー」
シェイ:「ネーミングセンスは関係ないだろっ!…リオルはどう思う?」
周りから一斉にヘイトをくらい、シェイはリオルに|縋《すが》るように尋ねる。
リオル:「えと…その…__ダサいと思う__」
シェイは殴られたような顔でショックを受けて、こわばった笑顔のままその服を元の場所に戻しに行った。
---
カシミアや他のメンバーたちが選んでくれた服を数着購入すると、
次はパーティーのご馳走の準備のためにスーパーエリアへと向かった。
ショッピングセンターに併設されたスーパーに到着すると、
レン:「着いたね。ホームパーティーの材料を手分けして探そう。その方が早いし。」
レンの呼びかけに応じてチームを組むことになった。
サラダ担当はミディアメスト、ユキ、リオ、メイ、カシミア
スープ担当はナオ、ショコラルテ、ジューン、シェイ、リオル、レイ
メイン担当はセイム、ファイ、シェフリ、ローザ、ライアー、ミリィ
そしてケーキ担当はリフ、ナナ、ディザ、スター、ロアヌ、レン、ミィ、イオ
となった。
**サラダ担当**
ミディアメスト:「サクッと終わらせましょうか〜まずはどんなサラダを作るか決めます〜」
ユキ:「サラダといえば…レタス、ですかね。」
リオ:「トマトとローストビーフも忘れずに!」
メイ:「…ドレッシングは、オリジナル…とか。」
カシミア:「それいいわね!オリジナルドレッシングをかけたローストビーフサラダ。とっても美味しそう!」
サラダ担当はテキパキと決めていく。
ミディアメスト:「あとは…食感が欲しいですね…そうだ!」
ミディアメストはお菓子売り場からカードが付属したウエハースを持ってきてニコニコとしている。
リオ:「おー!かっこいいドラゴン!」
ミディアメスト:「ですよねぇ〜!サラダにこれを入れたらいいんじゃないでしょうか?」
メイ:「サラダにウエハースはちょっと…」
ユキ:「お菓子はダメです。カツカツなんですから。」
カシミア:「賑やかね〜」
そんなこんなでサラダチームは買い物を終えた。
**スープ担当**
ナオ:「スープか〜味噌汁とかどう?」
ショコラルテ:「クリスマス、ましてや誕生日に味噌汁?」
ジューン:「うーん、今は味噌汁の気分じゃないすね〜」
シェイ:「そっちかよ!…それじゃあさ、クラムチャウダーとか?」
リオル:「あ…__しし__施設でクリスマスによく…__だだだ__出されてた…__よね__」
シェイとリオルが共感して頷きあう。
レイ:「あ、二人って施設出身なんだ。初耳。」
シェイ:「まぁね。」
ショコラルテ:「クラムチャウダーね。一度食べてみたいと思っていたの。」
ナオ:「私もさんせーい!」
スープチームはクラムチャウダーに決定して材料を集め、会計を終えた。
**メイン担当**
セイム:「やっぱクリスマスならメインは七面鳥っしょ!」
ファイ:「だな。それしか思いつかねェ。」
シェフリ:「僕もそう思います♡」
ローザ:「七面鳥は決まりとして、何羽買いますか?」
ライアー:「そうだな…メンバーが25人いるからな…」
ミリィ:「大喰らいの方も…いるかもしれません…」
6人が悩んでいると
店員:「よってらっしゃい見てらっしゃい!今なら特大七面鳥出血大サービスでお買い得だよ!」
店員のおじさんのしゃがれ声が6人の耳に轟く。
ローザ:「特大七面鳥…お買い得…」
ファイ:「こりゃ行くしかねぇな。」
セイム:「誰かに先を越される前に行くぜ!」
そうして壮絶な取り合い合戦が始まったのであった。
結果はパーティーまでのお楽しみである。
**ケーキ担当**
レン:「リフの好きなガム乗せる?」
レンが真面目腐った顔で提案する。
リフ:「流石にそれは…」
ロアヌ:「まずそう…だね。」
ナナ:「クリスマスといえばジンジャーマンクッキー!」
ミィ:「あと…マシュマロ…乗せたい…」
イオ:「それなら飴細工のサンタとかも乗せたら面白そうじゃん?」
皆口々に提案し始める。
ディザ:「想像しただけでお腹すいた〜」
スター:「早く食べたい!」
ディザとスターはお腹を減らして今にもモンスターの姿に戻ってしまいそうな様子だ。
ロアヌ:「とりあえず土台の材料から用意しようか。そしたらクッキーとマシュマロと…」
イオ:「飴細工だ☆」
リフ:「いや飴細工むずくね?」
リフが反論すると
イオ:「おいおい、ボクに反抗する気ィ〜?赤黒く染め上げるぞキサマ」
イオはニヤリと笑ってリフの胸ぐらを掴む。
リフ:「え!?俺、今日の主役なんだけど!?もっと|労《いた》わって!?」
そうして一悶着あったが、無事に全チーム買い出しは終わったのであった。
人数多くて読みにくかったらすみません!
ほのぼのとしたお話を考えるのはやっぱり楽しいですね!筆が進んでいつもよりも長くなってしまいます…ということで後編に続きます!お時間あれば読んでいただけるとうれしいです!