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君に、恋する。(1)
私、菜乃葉!
ごく平凡な、小5女子で、動物が大好き!
私、最近、「好き」な男の子ができたの。
いわゆる「初恋」ってやつだね!
ちなみに、好きな人は蓮くん。
まあ今はまだ、「杉本くん」、そう、苗字で呼んでるけどね…
杉本くんを見ると、目が合うとドキッとして、でも逆に目が合わないとソワソワして…
なんだか、くすぐったい気持ちになるんだ。
これが「恋」なのかな?
それはまだよくわからないけど…
でも、杉本くんは人気者。
ライバルも、いる。
ライバルなのは、同じクラスの「村山 杏」ちゃん。
杏ちゃんって、可愛くてモテるから、ちょっと勝てる自信はないかも…
でも、「伝えたい」という気持ちはおさまらない。
だから、まず仲良くなろうって決めたんだ。
効き目なしかもしれないけど、やらないよりマシだから、恋のおまじないも調べてやってみた。
伝えたい、伝えたい、伝えたい。
そんな感情が、心の奥深く底あたりから、湧き出てる。
フタを何回しても、フタは開いて、勝手に漏れ出てくる。
口に出そうなほどだ。
授業の合間をぬって、図書室の本で恋のアピール方法や、おまじない、占いまで、勉強したり、試したりした。
不思議と、いつもは嫌でめんどくさい勉強も、楽しかった。
毎日図書室へ向かう。
でも、閉館時間までがあっという間で、1分に感じるくらいだ。
私は、1人の男の子に出会い、
___好きになった。
___気持ちに出会った。
___「恋愛」を知った。
この恋は、いつまでも続くのだろう。
初恋の甘い味を、私はしっかりと噛み締めて、「今」の幸せを感じた。