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幻想郷縁起 未解決資料集、妖怪図鑑1
無縁塚に落ちていた幻想郷縁起と書かれた古そうな本。
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妖怪図鑑、1
マリー・ジェイド・レイナー
幻想を操る程度の能力(仮)
とある異変の首謀者候補。
計画的に異変を起こしたわけではなく本人自体異変にすら気付いていなかったらしい。
彼女に関しての記録は一切無く、恐らく古明地こいしのような存在だと思われる。
どこにも所属していなく、幻想郷や外の世界を渡り歩いてきたらしい。
対策
これといった危害を加える事はなく、取って食われることはなさそうだ。
まあ人ではないので念のため変な干渉をしないようにしよう。
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これより書き記す内容は嘘か誠かは答えられない。よってこれに関する災害やトラブルに関して私、稗田阿求は一切の責任を取ることができない。
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幻想郷から何かが消えた。
それが何なのか知る者も消えた。
私は遺された書物からその内容を探ったが、上記の外から来た妖怪の仕業という可能性があるだけという事しか分からなかった。
果てさて消えた物は何だったのだろうか。
本来妖怪は何かを喰らって生きている。
嫉妬心の強い橋姫は嫉妬を、一部の付喪神は驚いた感情を。
マリー・ジェイド・レイナーが食べたか消したかした物は言葉か概念だろう。
人や生物だと流石に賢者たちが動いた筈だ。
推測ばかりしている理由は本当に記録が一切ないのだ。たとえ妖怪であろうとたかが一体だ。恐らく“何か”が発生したのは私が生まれてすぐ。
読者には伝わっていないと思うので、いくつか考えている推測を記そう。
1.そもそもこの何かが消えたという事自体が間違いという可能性
一番適当に済ませられる簡単な推測だ。
2.好き勝手に何かを喰らった後に自分自身を喰らった
これも予想は簡単にできるけど実際は違う可能性が高い。
そして三つ目は…
何か幻想郷に生まれてしまった都合の悪い、人から見て良くも悪くも印象に残ってしまう何かを外から来た妖怪と賢者たちが共謀し、揉み消して都合の良いように置き換えた。一番考えたくない推測である。何故なら一番危険な事だったからだ。
恐らくマリー・ジェイド・レイナーはその推測が正しいなら賢者達が再構築に都合の良いように作り上げた妖怪。これまでに記録を消す妖怪は確認されていない。完全に新たな種族を作り、そして“それ”を使役して何かを消した。霊を神霊にするならまだしも、何もない状態から作り出したそれを現実に干渉できるほどの存在にするには何か大きなエネルギーがいるだろう。それこそ何百人の命や博麗の巫女くらいの。
間欠泉センターなどのエネルギーを生み出す施設が出来たのは最近。
もしこれが真実だとすると博麗の巫女か何百…いや何千かの人や妖怪はどうなってしまったのだろうか。
あくまで推測に過ぎないが、私はこの情報を確固たる物にする為にまだ調べ続けることにする。
私が消息を絶ったら使用人に私が殉職したと伝えて