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自分なんて、大っ嫌いだっ☆ ~私が居場所を見つけるまで~
リア友へ。
これは、ほんとにあったことだから。
心配すんなよ、中身は意外とポジティブだから!
生きるの楽しくないなぁ。
推しのイベントが早く来てほしくて、ほぼ毎日イベントの情報を調べる。
でも、二ヶ月先だったりして、楽しくない。
推しがいることすら、親は知らない。
何をしていても自己嫌悪。
そんな私にも、一つだけ居場所があった。
<「りえは髪の毛わーかめ」
<「お前はハゲ」
<「www」
「www」>
そう、チャット。
調べ物をしていて、スクロールするときにたまたま指が当たった広告のゲーム。
…のチャット。
めっちゃはまって、楽しくやっていた。
めっちゃ。
<「なんでわかめなんだよ」
「そうそう!なんで知ってんのw」>
<「え~あいつにわかめ植え付けられたから育毛剤って書いた脱毛剤送り付けて」
<「それをラッキー!って使ったら、ハゲた」
みなさん、聞いて驚かないでください、
これは二人が即興で作った作り話です!
そう、即興です!
今、今考えられた話なんです!
信じて下さい!
<「で、それでなんだけど、あいつの髪の毛どうしたらいいと思う?私的にはー、セロテでくっつけるとかかなって感じなんだけど」
「糸で縫い付ける?」>
<「いや、あいつに髪の毛なんていらんやろ?」
<「優勝。」
楽しかった。
「荒らし」という名の下ネタ言ったり暴言吐きまくる人もいるけど、それも無視して、あるいはブロックして、楽しく話していた。
……あの日までは。
今年四月、いろいろあってゲームを禁止させられた。
制限時間「1分」をかけられ、唯一の居場所を失った。
その日から私は、壊れていった。
その時の私はまだ、短編カフェを知らない。
「笑顔」ではいるけれど、偽物の、作り物の笑顔。
それにすら気づかない親は馬鹿なのかもしれない。
「笑顔」って名前の仮面を被って、壊れていく…。
辛かった。
また最後の一回でいいから、「苺」さんに会いたかった。
話したかった。
---
今、こんなのが流行っているらしい。
「僕のヒーローアカデミア」
という漫画だ。
原作は漫画で、テレビアニメや劇場版もやっていた。
周りの人はみんな見ていた。
でも私にはわからなかった。
その時の私は漫画オタクじゃない。
ネットという居場所で話す人間だった。
そこに、変人がいた。
私は「苺さん」と呼んでいる、「苺大福」
という人。
そのゲームにログインすると、
<「やっほー」
という言葉かスタンプが送られてくる。
それまでには3秒もかからない。
その人がいるときは、本当にすぐに話しかけてくる。
…けど。
その理由はヤバイ。
まずまずこのゲームをやっている理由は、
「話す人を探すため」。
本当はずっとヒロアカのゲームをやっている。
本当に変な人だった。
でもその人のことが私は大好きだった。
良い人だった。
ある時、ヒロアカを知らない私に質問をしてきた。
<「ヒロアカって知ってる?」
「流行ってるから名前は知ってるけど、詳しくは知らない」>
<「そっかぁ」
私は正直に言っただけだ。
だからがっかりされると困る
<「お前に似てるキャラがいてさ」
はいぃ?
勝手に話し進めないで?
って、ほんとは思った。
「誰?」>
私、優し~(自己肯定感を上げるためだけに言っている)!
ヒロアカ知らんのに聞いてあげてさ!
<「麗日お茶子」
「あー、名前は知ってるわ、声優さんが好きだから」>
<「なんだよ声優かよ」
「声優さん馬鹿にしたら怒りまっせ?」>
<「うわ~こわ」
「ガチで怒るぞ?」>
<「いやいやねぇ、あなたのほうがレベルが下ですから?」
「今はレベルかんけーねぇだろ」>
こんな感じでいつも喧嘩ばかりしていた。
でも、ふつうにうれしかった。
陽キャだと思ってくれてる!
それに、結構苺さんとの仲は良かったと思う。
苺さんと話しているときの私は少し元気だったと思う。
それが、一瞬にして奪われた。
その気持ちはきっと他の人にはわからない。
辛くても人前では泣かない。
それが親でも。
それが私にとっての美学だった。
夜、家族が寝た後、ひとりで泣いていた。
次の日が学校でも、それまでに涙の後を消して、偽物の笑顔で過ごしていた。
運動会もあった。
リア充も何組かできた。
でも、一か月が経っても傷は消えなかった。
ずっと辛いまま、月日は経ち、いつの間にか6月になっていた。
推し活はできても、ネッ友はいない。
ずっと話したいのに話せない苺さん。
ずっと「このゲームやめよっかな~」って言ってたのに、
それだと話し相手がいなくなるから頑張って止めていた。
でも先に辞めたのは、私だった。
ごめん、苺さん。
止めときながら先に辞めちゃった。
辞めたというか、辞めさせられた。
最後に一言ぐらい言いたかったな。
「ありがとう」って…ね。
---
学校で友達に「短編カフェ」を教えてもらった。
小説投稿サイトらしい。
ブラウザなのでメアドなどはいらない。
代わりにパスワードを覚えておかないといけないらしい。
ここが居場所になるまで、二週間前のことだった。
ある日、短編カフェのtopページを見ていた。
なんだろう…
惹かれる小説があった。
読んだら、涙が出てきた。
友達に教えてもらったことの一つ、「お気に入り登録」をして、
その人の小説を読みまくった。
今ではもう、相談してくれるくらいに仲の良い、ネッ友だって、私は思う。
ああ、そっか。
私、またネッ友を作って、良いんだ…。
私は今、この短編カフェでリア友と話したり、ネッ友と話したり、
相談しあって、小説を書いている。
ここに来るまでにメンタル崩壊もしたけど、
また笑えるようになるまでここで頑張りたい。
そう、思えるようになっていた。
苺さん。
絶対にないと思う。絶対にないと思うけど、
もし今この「短編カフェ」でこれを見つけて読んでくれているなら、返事してほしいな。
本当にありがとう。
苺さんがいなかったら私、とっくの昔に壊れていたかもね。
まだゲームは辞めていない?
この間ゲームのぞいたら(ほかの機種)、ワールドにあなたはいなかった。
それはもうやめたことを示しているように思えた。
止めておきながら先に辞めてごめん。
ありがとう。
~お詫び~
ゲームのチャットにいる人の名前は勝手に使っています。
ゲームを久しぶりにのぞいたら、みんないなかった。
だから、記憶だけで勝手に名前を使って書きました。
すみませぇん!
リア友へ
はい、ポジティブでしたか?
ぽじかねがで答えてください!
また会いましょう!
ばいばい
あ、次は体調不良系頑張るわ!
推し活アイドルオタクもいるから期待しててね、消兎!