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Prologue
『`Ah, es gibt einige interessante Dinge auf dieser Welt`』
*はぁ、この世には面白いものがあるものだな*
『`Schurken, Helden, sie sind alle nutzlos. Sie werden sich sowieso bald alle vor mir verneigen.`』
*ヴィラン、ヒーロー...くだらない。みんなすぐ私にひれ伏すだろうに。*
『`Sollen wir die Schurkenallianz schicken?`』
*さて、手始めにヴィラン連合でも潰そうか*
「おい。今何か聞こえかなかったか?」
荼毘が異変に気づいたらしく、隣にいたスピナーのことを叩き起こす。スピナーが痛そうにして起き上がる。
「俺は何も聞こえなかったぞ。」
スピナーは適当にそう言ってまた眠りについた。
「私も聞こえました!」
荼毘より先に起きていたトガヒミコも荼毘と同じ声を聞いたらしい。
「おい、死柄木。お前も何か聞こえなかったか。」
荼毘がそう尋ねるものの、死柄木の気配はなかった。荼毘とトガが辺りを見回すも、周りは岩や山だらけでどこに死柄木がいるのかも全くわからない。
不気味な雰囲気だけが漂っていた。
「ちッ、誰だよ」
荼毘の手には青い炎が。トガもナイフを構えていた。今にも誰かが来そうな雰囲気にトガと荼毘は背中を合わせ、いつでも戦える体制を取った。
すると突然、荼毘とトガを呼ぶ声がした。
「⁉︎弔くんじゃないですか?」
「気ぃ抜くんじゃねぇイカれ女。」
その声は確かに死柄木だったらしく、2人の目の前に着地した。
「お前ら、逃げるぞ。早く!」
珍しく死柄木は焦っていた。死柄木はまだ洞窟の中にいた仲間を無理矢理起こした。
「おい、逃げるってなんだよ急に。」
「誰かがいる。明らかに力は俺達の倍ある。」
その死柄木の一言で場は一気に静まり帰った。あの死柄木の倍強い人物がこの山々の中に忍んでいるというのだ。
しばらくの間沈黙が続いた。全員が辺りを見回しながら警戒している。
『`Oh je, was für ein Narr!`』
*いい面して立ってんじゃないか!*
突然聞こえたドイツ語に全員が敵は何処かと首を振った。
『`Ich bin hier`』
*私は此処だよ*
その声の主は全員を見下ろすように何やらニヤニヤとしながら空中に立っていた。
「おい、誰か略せ。俺英語わからん。」
荼毘がそんなことを言うも、ヴィラン連合でドイツ語を理解できる者は誰一人いなかった。黒霧でさえ。
『`Oh mein Gott, verstehen die kein Deutsch? `』
*なんてことだ。彼らはドイツ語が理解できないのか?*
全員がドイツ語を理解できていない中、男は話を続ける。
「あ"~「俺英語話せます」ってマウント取ってんのか知らんけどお前誰だよ。」
荼毘がついに頭に来たのか、男に向かって強く言葉を投げつけた。青白い炎をさっきより勢いが上がっている。
『`Das ist unerwartet, aber es ändert nichts an dem, was ich von nun an tun werde. `』
*予想外だ。…だとしても、今から私がやることに変わりはないか、*
宙に舞った男がぱん、と手を叩くので、何が来るのかと荼毘の体は青白い炎に包まれ、トガはナイフを、トゥワイスとスピナーは拳を握り、Mr.はビー玉を強く握り締め、死柄木は男を強く睨みつける。
『`Leb wohl, Liga der Schurken. `』
*さらばだ。ヴィラン連合。*
男の声と共にヴィラン連合は男に飛びかかった。死柄木の指が増殖したと思うと、
__ヴィラン連合は、音もなく、消えた。
突如現れた、謎の男。
プロヒーロー不在の中、全ての運命は雄英生徒に任された
伝説の殺し屋が、
**復活する**
もうすぐ一話出します。