公開中
聖夜の奇跡
キャラクター
カイ
男子高校生。将来の夢は小説家。
アヤ
カイの幼馴染。
天使
クリスマスなので人間界にやってきた天使。
ユウ
カイの同級生。
菅野(スガノ)
カイの転生後。
三田真冬(ミタマフユ)
アヤの転生後。
《開幕》
天使:板付き
天使「さて、突然ですが皆さんに質問です。奇跡とは何でしょう。正解は常識ではおこることが考えられないような出来事のこと。神が起こすと一般的には考えられていますが、もちろん僕も可能です。おっと、そろそろ行かないと。それではまた後程」
---
場面:駅前イルミネーション
BGM:クリスマスっぽいやつ
カイ&アヤ:登場
カイ「うーん、既読つかないな」
アヤ「お、お待たせ。結構待たせちゃったよね」
カイ「大丈夫、今来たところだから。一度来たことがあるとはいえ、迎えに行ったほうがよかったか?」
アヤ「二回来たことあるよ!」
カイ「悪い悪い」
アヤ「にしても東京は人が多いね。カイと離れないようにしないと」
カイ「荷物、ちゃんと駅のロッカーに…」
アヤ「早くイルミネーション見に行こ!レッツゴー!(手を引く)」
カイ「ちょ、引っ張るな!」
カイ&アヤ:|捌《は》け
ユウ:登場
ユウ「おぉ、イルミネーション凄いな(辺りを見渡す)…カップルしかいないけど。さっきまでバイトだったからいいし、恋人とイルミネーションとか見たかったけど、家族と仲良く楽しく過ごすからいいし」
カイ&アヤ:登場
ユウ「あ、カイじゃん」
カイ「げ、ユウ…」
ユウ「げ、は酷すぎない?」
アヤ「えっと、カイの友達?」
ユウ「まままさかカイの彼女!?急いで写真撮ってクラスのグループに…」
カイ「バカ、お前やめろ、」
アヤ「初めまして、カイの幼馴染のアヤです」
ユウ「あ、カイの同級生のユウです」
アヤ「カイって学校ではどんな感じなんです?」
ユウ「陽キャでも陰キャでもないごく普通の人間。運動が出来るから一応モテる。あと文芸部で小説を書いてるね」
カイ「ユウ、少し黙ろうか」
アヤ「良かった。まだ小説家になる夢、諦めてないんだ」
ユウ「え、カイの将来の夢って小説家なの!?」
カイ「…言ったことなかったか」
ユウ「初耳だよ!」
アヤ「カイの小説、私すごく好きだよ」
カイ「ありがとな」
ユウ「あ、二人の写真撮ってあげる。ほらほら近寄って~」
カイ「おま、急になんだよ、てか押すな」
ユウ「はい、チーズ」
効果音:シャッター音
ユウ「よし、それじゃこれをクラスのグループに…」
カイ「やめろ、本気と書いてマジで」
ユウ「冗談だって。カイに送っとくからアヤさんに送っといてね」
アヤ「アヤで大丈夫ですよ、ユウさん」
ユウ「それならユウって呼んで」
アヤ「よろしくね、ユウ」
ユウ「あ、幼馴染ということはカイの秘密とか恥ずかしいエピソード知ってるんじゃ!?よかったら教えてくれない?」
アヤ「もちろん。あ、森で迷子になったときにカイが大泣きした時の話とか…」
カイ「アヤ、そんな話をしなくてもいいから。お前絶対にクラスのグループに流すだろ」
ユウ「もちろん」
カイ「せめて誤魔化そうとしろよ…」
ユウ「アヤ、よかったら連絡先交換しようよ。カイの前じゃ妨害されるし」
アヤ「(スマホを取り出す)あ、スマホの充電ない」
カイ「だから既読つかなかったのか」
アヤ「三人のグループ作っといてよ」
カイ「はいはい」
ユウ「んじゃ、そろそろ行くかな」
カイ「バイトか?」
ユウ「いや、家に帰るよ。家族が待ってるから」
カイ「そうか」
ユウ「そういえばカイの出身って結構遠いよね。アヤは東京にしばらく滞在するの?」
カイ「俺の家に泊まるぞ」
アヤ「明日から東京観光するの。上野動物園でパンダ見たりとかする予定なんだよね」
カイ「動物園とか地元にもあっただろ」
アヤ「赤ちゃんいないじゃん!」
ユウ「そうだそうだ!」
アヤ「赤ちゃんパンダが見たいんだ!」
ユウ「そうだそうだ!」
カイ「分かったから騒ぐな。ユウは帰れ」
ユウ「やば、また連絡するわ、カイ。それからアヤも」
アヤ「…うん」
ユウ:捌け
カイ「さて、そろそろ俺たちも帰らないと。母さんもごちそう作って待ってるしな」
アヤ「…あのさ、カイ」
効果音:着信音
BGM:徐々に消す
カイ「噂をすれば母さんだ。ちょっと待ってろ」
アヤ「う、うん」
カイ「…どうしたんだよ、そんな暗い声して。…は?いや、でも、」
アヤ「カイ?」
カイ「…分かった」
効果音:電話を切る音
天使:登場
カイ「アヤ、お前は生きているか?」
アヤ「え?」
カイ「お前が交通事故にあって死んだって母さんが…」
アヤ「……」
カイ「今、ここにアヤは存在してる。お前は生きてる…よな?」
アヤ「私は…カイのお母さんが言ったように東京へ向かうときに交通事故にあって、緊急搬送されたけど…その…」
天使「(カイの後ろから)アヤは死んでいる」
カイ「うわっ」
天使「家から最寄り駅までバスで向かってたんだけど運悪く巻き込まれてね」
カイ「そんな…いや、でもユウに見えてたし、写真にも…!」
天使「写っている、だろう?僕が起こした奇跡で一時的に生き返ってるからね。君に会いたいというアヤの願いを叶えるために」
カイ「一時的にって、そんな現実離れしたこと…まさかお前みたいな奴が神様!?」
天使「お前みたいな、はひどくない?あぁ、そういえば自己紹介がまだだったね。僕は天使。天界に住む神の使いさ。今日はクリスマスだから人間界に遊びに来てるんだ」
カイ「お前みたいなのが天使…?」
天使「ん?」
アヤ「カイ」
BGM:感動系
カイ「アヤ…お前本当に…」
アヤ「ごめんね、先に死んじゃって」
カイ「なんで俺のとこなんだ。家族に会ったほうがいいだろ」
アヤ「そうだね。でもこうやってイルミネーションをカイと見るのをずっと楽しみにしてたからさ、貴方を選んだの」
天使「アヤ、そろそろ…」
アヤ「うん、分かってる。それじゃもう行くね」
カイ「お前っ、そんなあっさりと受け入れんなよ!おい天使!奇跡が起こせるなら…」
アヤ「もういいの。私はカイとイルミネーションを見れただけで幸せだから。でも、もしカイが小説家になれなかったら化けて出るからね(笑)」
カイ「…俺、絶対小説家になるから。だから転生して読めよ!約束だからな!」
アヤ「分かった。さようなら、カイ」
カイ「バカ、さよならじゃないだろ。また会おうな、アヤ」
アヤ「…うん!またね!」
アヤ:捌け
BGM:徐々に消す
天使「悪かったね、カイ」
カイ「何が」
天使「天使はクリスマスとか特別な日にしか奇跡を起こせない。でも、もし僕が神様だったらアヤを生き返らせるほどの奇跡を起こせた」
カイ「別に謝らなくていい。別れを言えただけで十分だ」
天使「君は優しいね」
カイ「…なぁ、今日起こった奇跡を誰かに話しちゃだめか?」
天使「大丈夫だけど…どうして?」
カイ「ユウに全部説明しないといけないからな。それと、この奇跡を小説にしたいんだ」
天使「小説に?」
カイ「この奇跡を小説にして新人賞に応募する。アヤと一緒に賞を取りたいんだ」
天使「うん、それはいいアイデアだね。また人間界に来る頃には製本されてるかな」
カイ「どうだろうな。落選してるかも」
天使「…題名を教えてくれないかい?」
カイ「題名?」
天使「ヒントなしに本を探すのは大変だろう?」
カイ「そうだな…この本の題名は…」
カイ:捌け
---
天使:センター
天使「翌年、カイの小説は大賞を受賞した。まるでその奇跡を体験したような文章が高評価だったらしい。まぁ、本当に体験してるんだけどね。さて、この劇もそろそろ終幕…しようと思ったんだけど、あれから百年ほど経った人間界を見てほしいんだ」
---
場面:学校(放課後
菅野&三田:登場
三田「(一人で転ぶ)いてて…」
菅野「大丈夫ですか?(手を差し出す)」
三田「あ、ありがとうございます」
菅野「あれ、この本どこかで…」
三田「聖夜の奇跡をしってるの!?えっと一組の菅野君だよね。私、二組の三田真冬。聖夜の奇跡について話したいから連絡先教えてよ!というか今時間ある?」
菅野「え、あ、その、時間はあります」
三田「それじゃ今からカフェ行こうよ!レッツゴー!(手を引く)」
菅野「…うん、アヤ」
三田「え?」
菅野「何でもない」
菅野&三田:捌け
天使「カイ、アヤ。それから観劇してくれた皆さん。メリークリスマス」
《閉幕》
*どうでしたか?
初投稿は『聖夜の奇跡』を小説にしたものがいいかな、と考えていました。
その時に、どうせなら原作?原案?も皆さんに見てもらえたら小説がより引き立つのではと思いました。
全く弄っていないので文章が少しおかしいところがあったかと思います。
小説の方は少しずつ投稿していく予定です。
劇に入れられなかった台詞とかも残していたので、それをうまく使いながら書いていきます。
それでは次の更新まで by生きる。